米司法当局 ロシアの組織的ドーピング 捜査

米司法当局 ロシアの組織的ドーピング 捜査
k10010525151_201605181005_201605181016.mp4
ロシアのスポーツ界の組織的なドーピングについて、アメリカの司法当局が捜査を始めたことが、関係者への取材で明らかになり、アメリカのメディアはドーピングによって不正に利益をあげた疑いなどで調べているとみられると伝えています。
ロシアのスポーツ界を巡っては去年、WADA=世界アンチドーピング機構が、ロンドンオリンピックなどの陸上競技で組織的なドーピングが行われていたと認定し、ロシアの陸上選手が国際大会に出場できない状態が続いています。また、競泳やおととし冬に行われたソチオリンピックの複数の競技でも組織的なドーピングの疑いが相次いで報じられています。
こうしたなか、ロシアのスポーツ界の事情に詳しい関係者は17日、NHKの取材に対して、アメリカの司法当局がロシアの組織的なドーピングについて捜査を開始したことを明らかにしました。アメリカの有力紙「ニューヨーク・タイムズ」は捜査の対象はドーピングによって不正に利益を上げた可能性があるロシアの政府高官や選手、コーチ、それにアンチドーピング機構の職員などで、共同謀議や詐欺の疑いについて調べているとみられると伝えています。
アメリカの司法当局は去年、FIFA=国際サッカー連盟の幹部などほとんどがアメリカ国籍ではない40人以上を、アメリカの銀行口座や通信回線を使って、多額の賄賂の受け渡しを行ったとする組織的不正の罪などで起訴しました。今回の捜査も同じような根拠に基づいて進められるとみられますが、ロシア当局の協力が見込めないことから、捜査は難航することも予想されます。