どうも、星川(@Soh_RundabanSP)です。
ご存知の通り、アイドル活動をしていた女性が小金井市のライブハウスでファン(ファンじゃねぇな)に20数か所を刺され、意識不明の重体になる痛ましい事件が起きました。
彼女は春から事務所を離れ、個人で活動していたということで誰しもがクリエーターとして作品を発表できる現代においては大変示唆的な事件であったと思います。
個人で活動するということは自分の身は自分で守らないといけません。
以前AKB48の握手会でメンバーが刃物で切り付けられる事件がありました。
その後、握手会は荷物チェックなどの防衛措置がとられました。
しかし個人で活動している場合そのような対応は難しでしょう。
個人レベルでは事前事後問わず、防衛措置というのは一定レベルまでしか実現しえません。
さらにはその方法や、事件に巻き込まれないための考え方も広く共有されているとは言い難いです。
企業家の家入一馬さんのツイートが非常に考えさせられます。
アイドル傷害事件を見てると、一般化していくアイドル市場とCtoCビジネスが抱える問題の本質は同じような気がするな…。個人間の信用と安全性をどう担保するか。一回の事件でマーケット自体が崩壊しかねない。
— 家入一真 (@hbkr) 2016年5月22日
CtoCとは個人と個人の取引を指します。
つまり独立して活動しているアーティストやアイドルの経済活動もここに属します。
SNSなどもこのCtoCを支えるプラットフォームとしての役割を果たしています。
この事件をきっかけに個人で活動しているアーティストやアイドルはどのような振る舞いをし、ファンと幸せな関係をつくっていくべきかを考えなければいけません。
二度と起きてほしくない事件ですし、家入さんの言うように一つの事件で市場全体が死んでしまう可能性もあります。
ぼく自身、普段からライブをしているバンドマンですから他人事にも思えません。
今日はぼくが「ファンと幸せな関係を築くため」に気を付けていることを書いてみます。
なぜ売れているか?を考えよう
アーティスト側は自分が何を売って、それがなぜ売れているかを強く意識しなければいけません。
特に重要なのは「なぜ売れているか」です。
以前の記事で「人がものを買うときはそれを信頼しているから」と書きました。
参照記事:「良い音楽をつくっているのに売れない!」のはあなたに○○が足りないから
そして信頼を積み重ねる方法はいくつかあります。
記事の中では
- 量産
- 継続
- 質
- 実績
- 肩書
- 人間関係
があると説明しています。
この中で人間関係による信頼構築は非常に注意すべきところがあります。
「あの人が売っているから買う」ということがあると思います。
多くの営業という業務はそうでしょうし、世の中にはまずは人間関係を育むことで購買につなげる商売はたくさんあります。
ただ音楽活動においてはこれはあまりおすすめしません。
実はこの「人間関係を育むことで購買つなげる」手法を極めたのがネットワーク・ビジネスです。
ネットワーク・ビジネスの多くはまずは家族・友人に商品をすすめ購買し、さらに人間的つながりを利用して商品を販売していこうというビジネスです。
つまるところ人間関係をお金に変える手法だと言えます。
ご存知の通り、ネットワーク・ビジネスは人間関係をこじらせる原因にもなりやすいビジネスです。
例えばバンドマンのみなさんなら友人を自分のライブに誘ったことがあると思います。
1回はだいたい来てくれますよね。
音楽に価値を感じていればリピーターになってくれますけども、当たり前に1回で終わる友人もいます。
もしその後もしつこくライブに誘っていたらどうなっていたでしょうか?
誘われるほうは気が悪いです。
もしかしたら友人関係が破綻していたかもしれません。
音楽がきっかけで友達が減る。
それは貧しいこと、悲しいことだと思います。
もちろん友人を誘うのは一概に悪いことではなく、趣味でやっている社会人バンドマンのみなさんにしたらむしろ豊かなことです。
勝負どころのオーディションライブなどでは友人の力を借りたほうが良いと思いますし。
ただ「音楽を売る」ということについては人間関係を利用した売り方はよくないです。
CtoCの取引には当事者同士の意識、無意識に関わらず人間関係が働いている場合が多々あります。
良い悪いは別にして、SNSなどはそれを助長する性質があります。
今や完璧に制御するのは難しいかもしれません。
ただ商品の魅力は度外視で人間関係によってのみ商品が売れていく状態は危険です。
人間関係とは愛や憎しみなど感情に基づいたものだからです。
おそらくそれが買う側の過度の期待を助長させることにつながります。
(っていうか今回の事件に関しても、容疑者が彼女のつくるエンターテイメントを本当に愛していたとは思えませんし。)
もちろん人間関係だけでは継続的に活動を続けていくのは不可能です。
その意味でもアーティスト側は自分の商品が売れている理由をしっかり考えましょう。
商品を明確にしよう
同時に自分が「売っているもの」も明確にしなければいけません。
「音楽」なのか「容姿」なのか「笑い」なのか・・・・。
それは人によって様々でしょう。
売り物を明確にすることは逆に「売らないものを明確にする」ということでもあります。
例えば、ぼくらはどんなにライブに来てもらってもメンバーとデートすることはできません。(笑)
それは未然にトラブルを防ぐことにつながると思います。
ぼくらアーティスト側は「売れない」ことがとても怖いです。
売るためなら色んなことをしてしまいます。
しかしそれが商品に曖昧な価値をもたせ、曖昧な評価を生みます。
長期的にはマイナスになることもあるのです。
だから勇気をもって商品を明確にしましょう。
一度売れなくても人間関係を利用せずに、商品価値を高める努力をし、しつこくチャレンジする。
個人クリエーターはこれからそんな姿勢も求められると思います。
まとめ
まとめますと
- 売れる理由を把握する
- 売るものを明確にする
が必要だと考えています。
ぼくがバンドマンなので今回は「売る側」の意見も書きました。
ぜひプラットフォームの意見とファンの意見も聞いてみたいですね~。
以上、バンドマンがお送りしました!
こちらもどうぞ!