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チャットボットの波は日本にも、アスクルは6.5人分の省人化、オルツや富士通も参入

2016/05/24
浅川 直輝=日経コンピュータ (筆者執筆記事一覧

 「将来、1サービスに1個はボットが必要になる。そうした膨大なニーズに対応させる」(オルツ CEOの米倉千貴氏)。

 相手からのメッセージに自動的に返信してくれる対話システム「チャットボット」。メッセンジャーアプリに慣れた若年層にとって自然なユーザー体験を提供する次世代インタフェースとして、米国を始め世界で注目を集めている。

 日本でも、アスクルが運営するEC(電子商取引)サイト「LOHACO」が、「オペレータ6.5人分の省人化を実現した」というチャットボットのスマートフォン対応を始めたほか、チャットボット開発基盤の提供に新規参入するIT企業が相次ぐなど、海外同様の盛り上がりを見せている。

アスクルの「マナミさん」、問い合わせの三分の一をカバー

 アスクルは2016年5月19日、これまでPCサイトにのみ導入していたチャットボット「マナミさん」を、スマートフォンやタブレットにも対応させたと発表した。

LOHACO提供のチャットボット「マナミさん」
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 同社が、PCサイトの問い合わせ付けのためにチャットボットを導入したのは2014年9月で、ユニバーサルエンターテインメントのチャットボット開発基盤「CAIWA」がベースである。直近では、全問い合わせの3分の1を「マナミさん」がカバーし、オペレータでの対応と比較して6.5人分の省人化を実現したという。

 スマート端末への導入と合わせ、顧客の質問テキストから「ポジティブ/ネガティブ」などのニュアンスを読み取り、キャラクターの表情や回答文章の出し分けを行う機能を加えたという。

AI開発のオルツ、チャットボット開発に使えるAPIを限定公開へ

 人工知能開発ベンチャーのオルツは2016年5月12日、エンジニアがチャットボットの開発に使えるAPIや開発環境を、6月中旬以降に一部公開することを明らかにした。

 公開するAPIの一つが、チャットボットの中核となるAPI「RMR (Rewritable Memory based Retrieval)」だ。ユーザーによる質問の意図を解析し、回答の候補を5つまで提示できる。2016年6月中旬から、200人限定で公開するという。

 オルツのRMRは、米IBMのWatsonにおける「Natural Language Classifier」と同じ一問一答形式のAPIに加えて、前後の会話の流れから意図を読み取るAPIも用意する。

オルツのAPI「RMR」で作成したチャットボットによる会話のデモ。左がユーザー、右がチャットボットの会話
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 このほか、会話の内容から登場人物の人間関係を推測する「関係性定量化API」や、会話のトピックを推測する「多階層トピック抽出API」なども公開する。

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