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シャープだね、大好評で生産量を3倍増

シャープが販売する蚊取り機能付き空気清浄機「蚊取空清」の売り場=大阪市北区のヨドバシカメラマルチメディア梅田で2016年5月20日、宮崎泰宏撮影

 シャープは23日、蚊取り機能を付けた空気清浄機「蚊取空清」の生産量を当初の3倍に増やしたことを明らかにした。販売が計画を大幅に上回り、蚊が増える夏に向けてさらに増販が見込めると判断した。シャープを買収する台湾・鴻海(ホンハイ)精密工業の郭台銘会長も独創性を高く評価する製品で、世界各国で積極的に販売する計画だ。

     4月23日に発売した蚊取空清は従来の花粉や悪臭の除去に加え、薬剤なしで蚊を吸い取る機能も付けた。紫外線を出して蚊をおびき寄せて気流で吸い込み、内部の粘着シートで捕獲する。3月17日の製品発表後に話題を集め、通常の空気清浄機なら多くても200台という購入予約が発売前日に2300台に達した。

     空気清浄機は花粉の飛散量が多い2〜4月を過ぎると販売が落ち着くが、「5月以降も安定して売れており、年配の方や小さい子供がいる家庭で関心が高い」(ヨドバシカメラマルチメディア梅田)という。同店を訪れた大阪市内の会社経営男性(72)は「ジカ熱の不安が言われる中、幼い孫と同居するので買おうと。部下に薦められた」と話した。

     蚊の多いフィリピンやマレーシアなど東南アジアの6カ国で昨年から先行販売したところ、好評だったため日本でも発売した。シャープは夏に向けてタイにある工場のラインを増強。大気汚染が深刻な中国でも早ければ今月末に投入し、台湾や香港でも発売を計画する。鴻海の郭会長は4月に堺市で開いたシャープ買収の共同記者会見の後、集まったアナリストに対し、蚊取空清を得意げに紹介。郭会長のお墨付きも得て、シャープらしい独創的な商品を世界に売り出す。【宮崎泰宏】

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