野間易通のTwを不法行為認定した静岡地裁判決 - 「凪論」事件の判決文

c0315619_15361981.jpg凪論」のブログの筆者が野間易通を相手に訴訟を起こした事件があり、裁判の結果が判明した。被告の野間易通が敗訴し、慰謝料20万円の支払いが裁判所によって命じられている。昨年の9月3日に静岡地裁で一審判決が出ていて(民事第2部)、さらについ最近、高裁での控訴審判決も出た。きわめて重要な問題であるので、ブログで取り上げてみたい。野間易通の昨年5月のTwに、「そういえば野下に訴えられてたの忘れてた笑 答弁書書かねば…。」という記述があり、提訴されたのが昨年春だとわかる。弁護を担当したのは神原元だろう。「凪論」をめぐる事件そのものについては、ネットの中に情報が散乱しているので検索して調べていただきたい。「凪論」の議論や主張が右翼寄りということで、野間易通やしばき隊との間でトラブルになり、筆者の名前や住所や職場が晒され、職場にしばき隊員が押しかける騒動となった。「凪論」は閉鎖され、筆者はTwも停止した。事件が起きたのは、今から2年前の2014年のことだ。ただ、左翼リベラルの中でも「凪論」を高く評価している声があり、「ありのままの事実を知らせんとするブロガーとしてのエネルギーには私は読む度に圧倒されていました」と惜しんでいる。



c0315619_15363833.jpgここでは具体的な事件や騒動には触れない。重要なのは裁判所の判断であり、判決文の中身である。地裁判決は別紙を除いて本論で32ページに及ぶ膨大なもので、18件の野間易通のツイートが取り上げられ、裁判官によって法的な検討が厳密に加えられ、それが不法行為になるかならないかが審判されている。1件1件のツイートについて、(1)プライバシー侵害になるかならないか、(2)名誉毀損になるかならないか、(3)侮辱になるかならないか、の三つの観点から吟味し判定する論理構成になっている。すなわち、18x3のマトリックスで合法か違法かが判定され、ジャッジのテーブルが設計され、総合的に損害の程度が導かれるという法律論に組み立てられている。その際、被告側が主張する違法性阻却事由が認められるかどうか、原告側の精神的損害はどうだったかが考量されている。裁判所によって争点はこのように整理され、結論はこう総括された。「以上のとおり、4番、5番、9番、10番及び13番の各ツイートは、原告のプライバシーを侵害し、5番、7番、11番及び12番の各ツイートは、原告の名誉を殻損するものであるところ、被告は、しばき隊の主宰者として新聞紙面に掲載される等、知名度のある人物であり、

c0315619_1536557.jpgまた前提事実のとおり、被告ツイッターのフォロワー数は、平成26年5月1日時点において1万1123人、クラックツイッターのフォロワー数は、平成26年6月3日時点において4741人であったこと、また、被告ツイッター及びクラックツイッターを閲覧している人数は、それよりも多いと考えられること、インターネット上に掲載された被告ツイートは容易に拡散する可能性があるところ、ツイートの内容をインターネット上から完全に消去することは不可能であると考えられること、他方で、本件で侵害された原告のプライバシーは、氏名,職業及び勤務先にとどまり私生活上の秘密とまではいえないこと等本件に現れた諸般の事情を総合考慮すると、原告の精神的苦痛を慰謝するには、20万円をもって相当すると思料する」。以上が判決理由の要旨に当たる部分であり、「被告は原告に対し、20万円及びこれに対する平成26年6月4日から支払い済みまで年5分の割合による金員を払え」という主文を根拠づける認識の説明となっている。18件のツイートの詳細は、別紙に添付になっていて、現時点で私は一つ一つを確認することはできないが、野間易通のこれまでのTwでの暴言や行状から十分に想像できる。

c0315619_153762.jpg要するに、この男のいつもの手口の個人情報晒しと罵倒と愚弄だ。通常、こうしたネット上の名誉毀損をめぐる民事訴訟では、途中で示談に至るケースが多いが、この事件と裁判ではそうはならず、地裁で判決が出て、どちらかが(おそらく敗訴した被告側が)控訴して高裁で審理される経過を辿った。面子の問題として、しばき隊トップで左翼リベラル業界の名士様として収まっている野間易通が、Twの名誉毀損の裁判で負けるという事実を確定させるわけにはいかなかったのだろう。結局、高裁も一審判決を支持し、野間易通の抗告は認められなかった。二審でも敗訴した。この判決について幾つか感想を述べたい。まず第一に、この判決が野間易通のTwでの不法行為についての判例になるということだ。野間易通の個人情報晒しの手口は同じである。その前後の、敵対者に対する難癖や挑発や罵倒も同じであり、子分がそこに参加して行為を扇動する手法も同じである。また、その手法についての開き直りの論法も同じで、おまえはレイシストだから、おまえはネトウヨだから、この制裁(嫌がらせ)を受けて当然だという正当化を必ず言う。そこには、違法性阻却事由の法理がある。また、正当防衛の形式作りの細工もある。

c0315619_15372015.jpgだが、静岡地裁の判決は、これらの手口を崩し、野間易通がネットで通してきた詭弁を一蹴し、原告の名誉毀損の損害を正しく認定した。非常に画期的な判決と言える。野間易通から嫌がらせを受けている者、誹謗中傷され続け、小突き回され、個人情報を晒されて苦痛を受けた者、訴訟を起こすぞとしばき隊の仲間に脅迫されている者、これらの者たちは、この静岡地裁の判決を読んで勇気を持ってもらいたい。司法は野間易通に敗訴の決定を下している。地裁のみならず高裁も同じ判断となった。今後、野間易通としばき隊をめぐる裁判では、この静岡地裁の判決が判例となるだろうし、ネットの中の言論でも、しばき隊の悪事を批判する上で有効な根拠となるだろう。しばき隊の暴力の被害者は泣き寝入りする必要はない。二つ目の感想だが、この静岡地裁の裁判官は、事件の説明を双方から聞き、自身でTwのログを入念に調べ上げて状況を精査した結果、結論として野間易通の不法行為認定という結論を出している。その上で、法律論としてのマトリックス構成の論理を固めている。野間易通の不法行為を認め、敗訴という決定を出せば、それがどういう政治的影響を世間にもたらすかもよく理解している。考えて考えた上でこの判決を出している。

常識的な判決であるけれど、勇気ある判決だと私は思う。高裁で覆らなくてよかった。判例として出た以上、同じことをすれば不法行為だ。訴えられれて裁判になれば、再び慰謝料を払わなくてはいけない。三つ目の感想として、判決文では「しばき隊」という言葉が使われていて、このことがきわめて重要だ。判決文の中では、「しばき隊」という言葉と「C.R.A.C」という言葉を正しく使い分けていて、二つの言葉の異同に混乱させられていない。この点にも感心させられた。ただ、当該判決文には重大な問題があり、それは「氏名,職業及び勤務先」の情報はプライバシーではないとして、その個人情報の晒し行為を不法行為と認定してないことだ。「凪論」の筆者の職場にしばき隊が強引に押しかけて騒ぎ、圧力をかけたことが判決文で特に触れられず、問題視されてないのはそのためだろうか。そのようなことをされたら一般の者はどうなるか。これは、昨年のしばき隊事件での久保田直己のケースを見ても被害は明らかで、地裁のこの判断には首を傾げる。


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by yoniumuhibi | 2016-05-23 23:30 | Trackback | Comments(0)
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