去年の出生率 僅かに上昇も人口減少数は過去最大

去年の出生率 僅かに上昇も人口減少数は過去最大
1人の女性が産む子どもの数の指標となる去年の出生率は1.46で、前の年を僅かに上回ったことが厚生労働省の調査で分かりました。一方、死亡数から出生数を引いた人口の減少数は過去最大となり、人口減少に歯止めがかかっていない実態が明らかになりました。
厚生労働省によりますと、1人の女性が一生のうちに産む子どもの数の指標となる「合計特殊出生率」は去年は1.46で、前の年より0.04ポイント上昇しました。これは平成6年以来、21年ぶりの高い水準です。
都道府県別に見ますと、最も高かったのは沖縄で1.94、次いで島根が1.80、宮崎が1.72、などとなっています。
最も低かったのは東京が1.17、次いで京都が1.26、北海道が1.29などとなっています。
年代別では30代、40代で上昇が続いているほか、20代後半でも5年ぶりに上昇しました。
去年、生まれた子どもの数は100万5656人で前の年より2000人余り増え、5年ぶりに増加に転じました。一方、死亡した人は129万428人で前の年より1万7000人余り増え、戦後最も多くなりました。
その結果、死亡数から出生数を引いた人数はおよそ28万5000人で、減少数は過去最大になり、人口減少に歯止めがかかっていない実態が明らかになりました。
厚生労働省は「ここ数年の景気の回復が、出生数、出生率ともに増加した要因の1つと考えられるが、少子化に歯止めがかかったとまでは言えず、引き続き対策が必要だ」としています。