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【ゴルフ】

鈴木愛、3人のプレーオフ制しV

2016年5月23日 紙面から

◇中京テレビ・ブリジストンレディスオープン<最終日>

優勝カップを手に笑顔を見せる鈴木愛=中京GC石野コースで(大橋脩人撮影)

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 ▽22日、愛知県豊田市、中京GC石野C(6431ヤード、パー72)▽晴れ、気温27・3度、西北西1・9メートル▽賞金総額7000万円、優勝1260万円▽57選手(うちアマ2人)▽観衆7765人

 首位タイからスタートした鈴木愛(22)=Salesforce=は72と伸びず、通算9アンダーで上原美希(27)、藤本麻子(25)とのプレーオフ(PO)にもつれこみ、2ホール目で制して2季ぶりのツアー通算2勝目。失格した昨年の雪辱を果たした。鈴木とともに首位タイだった酒井美紀(24)=国際スポーツ振興協会=は11位、永峰咲希(21)=ニトリ=は20位だった。

 18番を繰り返すPO。1ホール目で藤本が脱落し、上原との一騎打ちとなった2ホール目に鈴木の「スーパーショット」が飛び出した。

 グリーン右手前のピンを狙った第2打を引っかけてしまい、グリーン左手前のラフに飛んだ。ところが、斜面にキックしたボールは傾斜を転がってグリーンに乗り、ピンそば10センチにピタリ。先にバーディーとし、上原のバーディートライが外れて優勝が決まった。昨年の悔し涙をうれし涙に変え、河戸キャディーと抱き合った。

 「お姉さん」と慕う大山志保にも助けられた。鈴木にとって大山は「ゴルフでも人としても尊敬する先輩」。2014年の日本女子プロ選手権に勝った後、結果を出せずマイナス思考に陥っていたときは、話の聞き役として大きく包み込んでくれたという。

 この日も本戦の18ホールを終えた鈴木は、「本当に苦しかったので、PO前に涙が出てしまった」という状態だった。グリーンサイドにいた大山のそばに行き、「安心させてもらいたかったので、ハグしてもらった」。大山には「愛ちゃんだったら絶対大丈夫」の言葉とともに背中を押してもらった。

 POの1ホール目はピン手前5メートルのバーディーチャンス。「パターだけが命と思っていた。誰にも負けたくない」と、練習量の7割ほどを費やしてきたパッティングで沈めると、大山ばりに拳を何度も振り下ろすガッツポーズで喜んだ。

 昨年の悪夢も振り払った。1打リードで迎えた本戦の最終18番。第2打がグリーン左奥へ飛び、池には入らなかったもののハザードライン内に止まった。ボールのそばには木の葉。昨年の失格の要因となったシーンを思い出し、5〜6秒考えてそのまま打った。ボギーでPOになってしまったものの、同じ失敗を繰り返すことはなかった。

 次週のリゾートトラスト・レディスは「1年以上帰っていない」という地元の徳島での開催。「久しぶりに帰ることができる。今週の優勝を見て応援してくださる人が増えれば、自分にとってもプラスになる」。さわやかな笑顔とともに、2週連続Vに挑む。 (櫛谷和夫)

 

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