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【大相撲】

稀勢の里、名古屋でV宣言 白鵬倒して綱とりだ

2016年5月23日 紙面から

◇夏場所<千秋楽>

田子ノ浦部屋のパーティーに出席し、あいさつする稀勢の里=千葉県市川市の市川グランドホテルで(北田美和子撮影)

写真

 (22日・両国国技館)

 大関稀勢の里(29)=田子ノ浦=は横綱日馬富士を押し出し、2場所連続して13勝2敗で終えた。優勝はならなかったが、その安定感から、名古屋場所(7月10日初日・愛知県体育館)に綱とりがつながった。14日目に2場所連続37度目の優勝を決めた白鵬(31)=宮城野=も鶴竜との横綱対決を制し、昨年初場所以来の15戦全勝。12度目の全勝優勝で、自身の持つ最多記録を更新した。11勝した御嶽海(23)=出羽ノ海=が初の三賞で敢闘賞に選ばれるとともに、名古屋場所での三役昇進の可能性が出てきた。

 名古屋で綱とりだ。負ければ綱とりもゼロからのスタート。重要な千秋楽の一番を稀勢の里が白星で締めた。15日間を戦い終えて向かったのは、千葉県市川市で行われた部屋の千秋楽祝賀会。力強いまなざしでマイクを握ると、打倒白鵬と初優勝を高らかに宣言した。

 「来場所こそは何とか(白鵬を)倒して、優勝目指して頑張ります」

 完勝だった。稀勢の里は左を差して突き放す。再び左をのぞかせて日馬富士を腰砕けにさせる押し出し。勝因を「思い切りいくこと」と言い切った。言葉通りの内容で自身初となる2場所連続の13勝。「特別何かをして星数が上がっている訳ではない」と謙遜したが、成長ぶりを示したことは間違いない。

 あらためて白鵬との直接対決の重要性を痛感した。白鵬との全勝対決で敗れて最終的に2差ついた。「2つも離れてるから話にならない」。白鵬戦を制すことがV争いを制す。そのためには今までと変わらず、稽古を積むのみだ。「しっかりまた体を作って。しっかり調整して名古屋に乗り込んで行きたい」。やることは十二分に分かっている。

 けがの影響も感じさせなかった。14日目の鶴竜戦で土俵下に飛び降りたところで左すねを打撲。普段なら千秋楽の朝も稽古場に姿を見せるが「無理することはない」と、この日は大事を取って稽古を休んだ。取組後には「寝たら治るっしょ」といたずらっぽく笑った。

 夏場所後の横綱昇進は消えたが、名古屋場所で綱とりに挑む。二所ノ関審判部長(元大関若嶋津)は「下の人に負けていない。横綱にしか負けていない。安定しているよね」と内容を評価し「優勝が第1条件だね」と初Vで横綱昇進の声が掛かるとの見解を示した。

 1983年名古屋場所で先代の故鳴戸親方(元横綱隆の里)は綱とりに挑んで優勝。

 場所後に横綱に昇進した。稀勢の里も先代と同じ名古屋で綱とりに挑む。30歳最初の場所で最強横綱を倒して賜杯を抱く。その先に綱が待っている。

  (永井響太)

 

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