財務省は23日、パナマ政府と2国間の租税情報交換協定を結ぶことで実質合意したと発表した。自国の外にある銀行口座の情報を互いに交換できるようになる。国際的な租税回避行為を防ぐ狙い。国際ルールとなる経済協力開発機構(OECD)の基準に基づく協定で、パナマが同基準に沿った協定を結ぶのは初。両国の国内手続きを経て、正式に発効する。
有力政治家らの節税の実態を明らかにした「パナマ文書」を受けて、国際社会ではパナマ当局に租税の透明性を高めるよう求める声が多かった。租税回避地(タックスヘイブン)として知られる英領ケイマン諸島などが国際ルールの採用を進める一方、パナマは慎重姿勢を示してきた。
4月中旬にワシントンで開いた20カ国・地域(G20)財務相・中央銀行総裁会議ではパナマなどを念頭に国際ルールに従わない非協力国に制裁を検討することで合意。6月のOECD租税委員会で非協力国を特定する基準をつくり監視を強化する方針だ。