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5月19日朝、グアムのアンダーセン空軍基地で、訓練中のB-52爆撃機が離陸直後墜落しました。7人の乗組員に怪我はありませんでした。

B52はいまから60年も前にデザインされた骨董品であり、最後の生産は1963年です。

航空機の耐用年数は長く、普通、20年から30年、使い続けることも珍しくありません。しかし60年前のモデルというのは、いくらなんでも古すぎます。

アメリカ国防総省は既に新しい主力爆撃機の開発契約をノースロップ・グラマン(ティッカーシンボル:NOC)に発注済みです。

この次期主力爆撃機は、1機の値段が643億円と試算されており、ゆくゆくは80~100機の購入が予定されています。つまり最大で6.4兆円のプロジェクトというわけです。

この手の防衛プロジェクトでは、請負業者の利幅は厳格に管理されており、あまり儲からない代わりにハラキリ的な不採算プロジェクトも少ないです。

「ベルリンの壁」崩壊後、アメリカ国防総省の防衛産業の指導方針が変わりました。

それまでは業者同士を徹底的に競争させ、コストを下げるやり方でした。

しかし、冷戦が終わると軍備が余り必要でなくなるという認識に立ち、M&Aで業者の数を集約し、財務的に健全で技術力をしっかり維持できる一握りのメーカーを残すという方針になったのです。

この結果、今では、戦闘機は主にロッキード・マーチン(ティッカーシンボル:LMT)、爆撃機はノースロップ・グラマンという棲み分けが出来ています。

過当競争が無くなったこと、各社とも息の長い調達プログラムに基づいて生産を行っている事は投資家目線では「数字の読み易い」ビジネスになってきていると言えます。

noc

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