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shi3zの長文日記 RSSフィード Twitter

2016-05-23

UnityでのVRプログラミングが簡単すぎる 05:42

 昨日は半日使ってUnityでVR会議室というのを作ってみた。 

https://i.gyazo.com/00cccae51cab99cc580b4646af658036.gif

https://i.gyazo.com/b5a3520302a7cdc53eae828dfc36cf0b.gif


 こんな感じで、空間上に好きなものを配置したり、線でつないだりできる。


 もとは一人でブレインストーミングをするために作ったのだが、なかなか楽しい。

 どうして作ったのか、どんなことができるのかは以下の記事を参照のこと

会議室を VR空間に変えると何が起きるか - WirelessWire News(ワイヤレスワイヤーニュース)

https://wirelesswire.jp/2016/05/53249/


 しかし記事中でも触れたが、とにかく久しぶりに触ったUnityが驚くほど簡単で驚くしかなかった。

 特に驚いたのは、本来とっても面倒くさそうなhtc Viveのヘッドマウントディスプレイの位置とか、コントローラーの位置とかを扱うというところ。


 面倒そうだなあと思って覚悟してたんだけど、実はSteamVRというプラグイン(アセット)をダウンロードしてインポートして、CameraRigという部品をドラッグ&ドロップすればそれで全て完了するという、「プログラマーのしごとってなくなるんじゃないの?」と心配になるほど簡単なのだ。この時点でコードを全く書かなくてもVR空間プログラミング完了。どうなってるんだってばよ。


 さらに、コントローラーの空間的位置、姿勢なんぞはちょっとしたコードを書いて、gameObject.transform.positionとgameObject.transform.rotationで取得可能。簡単すぎだろ。化けて出るぞ。なにかが。


 さらに当たり判定をとりたければコライダーとリジッドボディ(剛体)を設定すれば、あとはOnCollisionEnterというコールバックが呼び出されるので、そこにやりたいことを書いておけばOK。



 これで思ったんだけど、もはやUnityはプログラミングとは言えないと言っても過言ではない。

 というかこれならビジュアル言語で十分ではないか。


 と思ったら、既にUnity用のビジュアル言語としてBehaviour Machine というのがあるらしい。

https://i.gyazo.com/36b99c8ed6e07e38ee2242280f0bdfb7.png


 こういうので、もう十分だろう。


 もちろん、我々古き良き時代を謳歌したレガシーキーボードプログラマーはC#を使えばよろしい。

 なんとなく安心感があるし。


 ただ、もはや確実にプログラミングは簡単すぎて見えないレベルまでやってきているということ。それだけは間違いない。


 もはやVRプログラミングに障害となるのは、単に作業空間を確保するということであり、さすがにKAFじゃないから自宅にhtc Viveを設置するというわけにもいかない。


 自宅でやろうとすれば、まあちょいと、もう一部屋多い家に引っ越ししてVR専用ルームを作るくらいの覚悟がないと非現実的である。


 KAFのように現実よりVRが大事という人間はそうはいないだろうから、日本でhtc Viveを思い切り体験できる人は限られるが、そこまでやる価値はあると断言できる。


 しばらくVR空間に身を置いてると、感覚がだんだん変わってくる。

 むしろどちらかというと、こっちが現実で、HMDをとった方はなにか別の世界、というような気さえする。


 カラフルな空間よりも、ソリッドな空間、たとえば真っ暗な空間に光の線が浮かび上がるような場所だと、それがより顕著に感じられる。


 VR空間では、これまで頭のなかにだけ描いていた立体的な空間に言葉や記号や構造が生まれるという体験を、文字通り可視化できる。


 さらにいえば、自分の頭のなかだけにある構造を、他の人間にも体験させることができる。


 これはちょっとした驚きでもあるし、なにより、それまで以上に自分の思っていることを相手に伝える手段になる気がした。


 VR空間は文字通り新世代の表現を実現する強力なツールと言えるだろう。


 ほんとうに惜しいのは、これを自宅で体験するのが難しいことだ。

 普段なら、買え買えというんだけど、Viveを自宅に設置するのは本当に難しいし、僕自身も自宅に置いてない。置けないのだ。


 障害物があるとちゃんと機能しないしね。



 しかしむかしはおそろしく高価だったこの手の環境がたった12万円で手に入る。


 PCは手前味噌だがDEEPstation DK-1のBasic Editionを使った。ディープラーニングとVRの両方ができるスグレモノである。


 合計すると30万円ちょい。

 しかし、30万円で中古車を買うよりも抜群の体験が得られる。


 まだソフトは少ないが、今の段階ではソフトを遊ぶための環境というよりも、VR空間というこれまで存在しなかった新しい世界を体験する価値創造のために買うべきだ。つまり今これを準備すべきはクリエイターやプログラマーである。


 Oculusで散々遊んで「こんなもんかなー」と思っていた部分はあったんだけど、もはやぜんぜん違う。違いすぎてその違いに愕然とする。


 htc Viveだけが本物のVR空間を体験する環境であって、Oculusはなんていうか、遊園地のライドものみたいな感じだ。それはそれで面白さは否定しないが、モノとしてはゴーカートと乗用車くらいの違いがある。ゴーカートは決められたコースしか走れないが、乗用車は道路ならどこでも走れる。


 うーむ。楽しい。

 楽しすぎる。