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北陸新幹線の大阪延伸、3案に絞る 与党検討委

2016/4/28 6:10
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 北陸新幹線の大阪延伸ルートを選定する与党検討委員会は27日に中間報告をまとめ、最大5ルートまで検討された候補を3ルートまで絞り込んだ。与党検討委は国土交通省に各ルートの建設費などを今秋までに試算するよう要請。年末までの最終ルートの絞り込みを目指す。終着駅とした新大阪駅を中心に、東海道、山陽、北陸の各新幹線を結ぶネットワークの構築に向けた動きが本格化する。

 大阪府の松井一郎知事は同日の記者会見で、終着駅を新大阪駅とした中間報告について「至極当然の判断をしていただいた」と歓迎した。

 敦賀(福井県)―京都間は3案に絞り込まれた。米原駅に接続するルートは最も建設距離が短く、京都駅までは東海道新幹線に乗り換える。福井県小浜市を経由して京都駅に直結するルート、小浜から京都府舞鶴市を経由して京都駅に結ぶルートだと、新大阪まで乗り換えなしで行くことも可能だ。

 当初、関西広域連合は工期の短さ、建設費の安さなどを理由に米原ルートを推した。ただ、米原止まりで東海道新幹線を利用することになるため、西日本旅客鉄道(JR西日本)の運賃収入も少なくなる。敦賀―小浜―京都というJR西日本の独自案が浮上したのはこのためだ。

 ただ、公費を投入して新幹線を延伸する以上、検討委では、ルート選定は費用対効果だけでなく、沿線地域の振興を考慮すべきだとの意見も根強い。小浜から南下して京都に直結するルートは主に山間部を通ることになり、新駅が設けられても、地域振興で大きな効果は見込みにくい。

 舞鶴経由で京都府内を南北に横切るルートなら、過疎化が進む北部と中部の沿線振興につながるとの期待がある。与党検討委の委員長を務める西田昌司参院議員(京都選挙区)や京都府の山田啓二知事が舞鶴経由を主張するのはこのためだ。

 中間案では小浜から京都を経由せず、直接大阪につなぐルートが漏れたこともあり、残った3ルートのうち、京都を直接経由する2案を中心に議論が進むとみられる。京都府の山田知事は27日、中間報告では見送られた関西国際空港との接続について「関空とのアクセスが一番問題。別問題として検討を進めてほしい」と話した。

 与党検討委は延伸ルートの2026年度開通を政府に要望するが、30年度には北海道新幹線の札幌延伸の計画もあり、財源確保は難しい情勢。東京、大阪の二大都市圏が東海道新幹線だけでなく、北陸経由のもうひとつの大動脈でつながることによる経済効果や災害時のバイパス機能などを詰める必要がある。

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