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木村岳史の極言暴論! 日経コンピュータ

ITが大好きな社長は失脚する、その深い理屈を教えよう

2016/05/23
木村 岳史=日経コンピュータ (筆者執筆記事一覧
『SEは死滅する』の第2弾登場!ITproの名物コラムニストが再びIT業界の不条理を斬る。日経コンピュータ元編集長の木村岳史の本『 SEは死滅する 技術者に未来はあるか編』。定価1500円+税。2月23日発行!

 あらかじめ断っておくが、この記事は、最近いろんな企業で相次いだ突然の社長交代を念頭に置いて書いたものではない。もちろん、そう邪推していただいても一向に構わないし、特定の失脚劇に当てはめて「なるほど!」と勝手に納得していただいても結構だ。だが、あくまでも一般論として、「なぜITが大好きな社長は失脚するリスクが高いのか」を論理的に解説することを意図している。

 もったいぶって書き出したが、実はその理屈は難しい話ではない。むしろシンプルな理屈だ。もちろんITが大好きな社長、あるいはITを分かる社長がそれゆえに失敗し、失脚するという話ではない。私の知る限り、ITが大好きで自分の情報収集能力を過信したことで、失脚どころか会社をつぶしてしまった社長が、中堅企業に1人だけいた。極めてレアケースであり、大企業ならほぼ起こり得ない事態だ。

 では、特に大企業でIT大好き社長を襲う悲劇の理由は何か。これは社長のタイプを考えると、すぐに分かることだ。社長は大きく分けて2通りのタイプがある。1つは「現場重視タイプ」。現場から叩き上げて社長にまで登り詰めた人たちで、「現場力」とか「真実は現場にある」なんて言葉が大好きだ。会社が多少の危機に直面しても「社員一丸となって」対処すれば、乗り越えられると信じている。

 もう1つの社長のタイプは「構造改革タイプ」だ。現場重視タイプと異なり、現場叩き上げで登り詰めた人は少なく、生え抜きがいたとしても、営業や生産現場の出身ではなく、会計や経営企画など本社管理部門出身の場合が多い。外部から招へいされた、いわゆる“プロの経営者”もこのタイプがほとんど。会社の危機に際しては、もちろん抜本的な構造改革で対処しようとする。

 米国企業なら当然、社長、CEO(最高経営責任者)は構造改革タイプが多い。というか、ほとんどがこのタイプだ。MBA(経営学修士)を取得し、若い頃から様々な企業でマネジメントのキャリアを積み上げたうえで、プロの経営者として企業を渡り歩く。一方、日本企業は圧倒的に現場重視タイプが多い。一つの企業の中で徐々に出世の階段を登った人ばかり。いわゆる“サラリーマン経営者”である。

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