「太陽系に最も近い惑星」実在せず。ケンタウルス座アルファ星Bb、幻だった(研究結果)
太陽系以外としては地球から最も近い場所にある惑星が、実は存在していなかった……。そんな衝撃的な研究結果が発表された。ナショナル・ジオグラフィックなどが報じた。
問題の惑星は「ケンタウルス座アルファ星Bb」。2012年10月、スイスのジュネーブ大学などの国際研究チームがドップラー分光法という方法を用いて、「地球サイズの惑星を発見した」と科学誌のネイチャーに論文を発表した。地球から4.39光年離れた恒星「ケンタウルス座アルファ星B」の周囲を回っていると考えられていた。
しかし、イギリスのオックスフォード大学の大学院生のヴィネシュ・ラジポールさんが10月19日、論文サイト「アーカイヴ」に最新の研究結果を投稿した。それによると、2012年の発見は観測データ上に現れた「幽霊」にすぎなかった。恒星の黒点、観測装置の電子ノイズ、別の恒星による引力などが、恒星の表面にかすかな光のパターンを作り出した。それを惑星のせいと勘違いしたことで、「幻の惑星」が生まれてしまったのだという。
■「宇宙戦艦ヤマト」や「アバター」の舞台に
「ケンタウルス座アルファ星」は、A星、B星、C星(プロキシマ)の3つの恒星からなる三重連星。以前より惑星が存在する可能性が指摘されており、SF作品の舞台にもよく使われている。
1980年のテレビアニメ「宇宙戦艦ヤマトIII」では第4惑星に人類が移住しているほか、実写映画にもなった「トランスフォーマー」シリーズでは、正義のロボットたちの出身地が、アルファ星近くの人工惑星「セイバートロン」だった。2009年公開の映画「アバター」の舞台は、A星の周囲を回る惑星「ポリフェマス」の衛星パンドラ……という設定になっている。
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