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裁判員事件の可視化48% 佐賀県警は16件中5件

15年度 試行大幅に増加

2016年05月17日 10時14分

取り調べ全過程可視化の試行状況(警察庁まとめ)※15年度は速報値
取り調べ全過程可視化の試行状況(警察庁まとめ)※15年度は速報値

 全国の警察が2015年度に実施した取り調べのうち、裁判員裁判対象事件(3178件)で全過程の録音・録画(可視化)を試行したのは1543件だったことが警察庁のまとめ(速報値)で分かった。実施率は48・6%で、14年度の17・6%から大幅にアップした。

 裁判員裁判事件と検察の独自事件を対象に、逮捕後の容疑者取り調べの最初から最後までの可視化を義務付けた刑事訴訟法改正案が現在、参院で審議中。今国会で成立の可能性があり、公布から3年以内に施行される。

 可視化が義務付けられるのは全事件の約3%だが、警察庁は児童虐待など傷害事件でも試行を視野に入れている。公判で供述の信用性などが争点となるケースを想定、裁判員裁判対象事件でも任意聴取時からの活用を一層進める。川崎市の老人ホームの入所者転落死事件では任意段階での聴取の可視化を実施した。

 一部を可視化した事件は2897件で前年度から20件増にとどまったが、録音・録画回数は3万4678回で1万362回増えた。1事件当たりの録音・録画時間は14時間から21時間3分に、取り調べ時間全体に占める割合は53・0%から79・1%にそれぞれ伸びた。

 装備面の準備も進む。可視化に必要な機材は14年度末の約800台から、15年度末には取調室の天井にカメラなどが取り付けられた「設置型装置」も含む約1850台に増加。取調室がある全国の施設の9割に1台以上が配備された。

 佐賀県警の裁判員裁判対象事件16件の取り調べで全過程の録音・録画をしたのは5件で、実施率は31・3%。前年度の15・0%(20件中3件)から伸びた。

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