1400台一斉不正 全国で計14億円引き出し
全国17都府県のコンビニエンスストアの現金自動受払機(ATM)約1400台で今月15日、偽造クレジットカードが一斉に不正使用され、約14億4000万円が引き出されていたことが捜査関係者への取材で分かった。現金の引き出しには100人以上が関与した可能性がある。南アフリカの銀行から流出した同行発行のカード情報が使われたとみられ、警察当局は大規模な国際犯罪組織が関与した窃盗事件とみて捜査を始めた。
捜査関係者によると、15日午前5時ごろから同8時ごろまでの間、東京、神奈川、愛知、大阪、兵庫、福岡など17都府県のATMで1万4000回以上の不正引き出しがあった。クレジットカードで現金を借りるキャッシング機能が使われ、限度額の10万円がそれぞれ引き出されたとみられる。
ATMを設置していたセブン銀行からの通報で発覚した。南アフリカの銀行が発行したクレジットカード情報をもとに偽造されたカードが使われた可能性が高いという。警察当局はコンビニの防犯カメラの解析を急ぐとともに、国際刑事警察機構(ICPO)を通じて南アフリカ当局と連携し、情報の流出の経緯も調べる。
同様の手口の事件は過去にもあり、2012〜13年にオマーンの銀行が発行したクレジットカード情報が不正利用され、日本を含む20カ国以上のATMなどから約45億円が引き出されていた。
【川上晃弘】