我が家の長男は緑が黒に、黄色は白に見えるのだそうです。信号がLEDに変わる前は白白赤に見えていたと。赤は見えるそうです。 .@CookDrake さんの「色覚検査と色覚異常の補正レンズについて」をお気に入りにしました。 https://t.co/oZ2f2vCJOp
— ふみきち (@fumikichi2525) 2016年5月22日
ツイッターのタイムラインで、色覚の事が話題になっていました。
我が家の長男には、重度の色覚異常があります。
そのことに母である私が気が付いたのは、今年の3月のこと。
CCレモンの色は白だと言った長男の言葉に、え?とひっかかったのがきっかけでした。
長男自身は何となくだけど自分の色の見え方が他の人と違うことに気がついていたそうです。
長男が言うには、信号がLEDに変わる前は白白赤に見えていたそうです。LEDに変わってから、緑だけ見えるようになったと。それも青にしか見えないそうですが。
緑と黒のボーダー柄は真っ黒に見えるそうです。
トイレのピクトサインはピンクも水色もグリーンも見えないので、はっきりした赤と青だとわかりやすくて助かると。それでも赤と黒に見えるそうですが。
男女の区別がはっきりしてない形のピクトサインだと、どちらが男子トイレかわからなくて困るのだそうです。
そんな話を夕食後に笑いながらしている長男を眺めながら、私はパニックになりそうなのをこらえるのが精一杯でした。
今まで17年間、気付かなかった?
信号すら識別できないほどなのに。
もしかして信号を無視して飛び出していたのは、多動や知的障害による認識不足だけではなく、信号が見えてなかったから?
少し気持ちの整理をするのに時間が必要でした。
そしてさらに色覚異常まで?
ショックではあったけれど、時間は待ってはくれません。
1~2週間程ぐずぐずしてしまいましたが、気持ちを切り替えて眼科で検査にのぞみました。
近所のクリニックから紹介状をもらって大きい病院で詳しい検査をした結果、重度の色覚異常であるとの診断でした。
重度の色覚異常。
長男に、景色がどんな風に見えるのか聞いてみました。
青い空は青だと。
木々の緑は、日当たりの良い場所や新緑ならば黄緑色に見えるけど、暗いと黒に見えるのだそうです。
赤はよく見えるのだとか。
長男は赤と黒のアディダスカラーばかりを身に着けるのですが、それは発達障害の特性からのこだわりのせいではなく、唯一判別できるカラーリングだからなのだそうです。
そんな事とは思いもよらず。
ピンクや黄緑や水色などの明るい中間色や黄色は白く見えるのだそうです。
濃い緑や紫、濃い青などは黒く見えるのだとか。
そんな話を聞きながら、ん?ならなんでそれらの色が存在することを知っている?と疑問に思いました。
長男の話をよく聞いていると、明るさや発色の具合などの状況によって見えたり見えなかったりするようなのです。
信号がLEDだと緑も識別できるというのがわかりやすい例ですね。
眼科のドクターの説明によれば、色というのは太陽光の反射を眼球を通して脳で識別しているもので、厳密には見え方は一人一人違っているのだそうです。
長男のように周囲の状況で見え方に変化が出るのは当然のことなのだそうで。
なので、この色はこのように変換して見える、というようなことを検査で把握することも、マニュアル化することも不可能なのだそうです。
臨機応変に対応していくしかないということでした。
長男は、周囲が気が付かなかっただけで、産まれた時から色覚異常でした。
だから今更慌てて何かしなくても、ご本人なりに色々工夫して生活しているよ、とも言われました。
赤と黒のカラーリングばかりを身に着けるのも、彼なりの工夫ですよね。
長男には、読字困難もあります。文字が動いて見えるのだそうです。
交通機関の時刻表や切符はほとんど識別できないので、交通機関を使って知らない場所に行くことはほとんど不可能です。
書字障害もあります。手書きでは名前を書くのがやっとですが、キーボードなら文章が書けるのです。
もし、長男に読字障害も書字障害も色覚異常もなかったら。
教科書が読めたのでしょうか。
学習機会が得られたのでしょうか。
考えても仕方のないことを、考えてしまいます。
でもこれは本当に考えても仕方のないことで。
こんなことを考える暇があるなら、少しでも今できることをやっていきたいです。
先天性色覚異常は男性の約5%、女性の約0.2%に発症すると言われています。
その他、後天的に発症する場合もあるそうです。
色がわからないというのは、食品関係、工業系、化学系、デザイン系、パイロットや運転手など、様々な職種を選ぶことができなくなるのだそうです。
生活の中でも、様々な困難が生じています。
けれど、障害者手帳の対象にはならないのだそうです。
色覚異常のある人が生きやすい世の中になるように。
私もこれから長男と一緒に考えていきたいと思います。
青い空と緑の木々。
長男には、どんな風に見えているのでしょうか。
長男はずっと視覚支援がうまくいかず、何故だろうと思っていた。
— ふみきち (@fumikichi2525) 2016年5月22日
高校生になって読字困難と色覚異常がある事がわかって、視覚支援がうまくいかない理由がわかった。
この様なケースがある事も、支援者、医療者は頭の隅に置いてくれていたらと思う。
発達障害、知的障害には視覚支援が有効であるというマニュアルがあっても、それが不可能なケースもあるという事。
— ふみきち (@fumikichi2525) 2016年5月22日
長男の場合は繰り返し経験する事で、地道に覚えるしかない。
学校に行くための交通機関の乗り継ぎを完璧に覚えるのに3年かかった。
— ふみきち (@fumikichi2525) 2016年5月22日
障害者スポセンまではそれ以上かかっている。
移動支援、行動援護等のサービスを使いながら地道な練習を繰り返したおかげ。
これらのサービスをもっと多くの方が利用できる様に、事業者や予算を増やして欲しいと心から願う。