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【スポーツ】

[バレーボール]日本女子4大会連続五輪

2016年5月22日 紙面から

リオ五輪出場が決まり、笑顔の木村(3)、荒木(11)らバレー女子日本代表=東京体育館で

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◇世界最終予選 イタリア3−2日本

 バレーボール女子のリオデジャネイロ五輪世界最終予選兼アジア予選第6日は21日、東京体育館で4試合を行い、世界ランキング5位の日本は同8位のイタリアから2セットを奪って4位以内を確定させ、2004年アテネ大会以来4大会連続の五輪出場が決まった。試合はフルセットの末に敗れて4勝2敗となったが、3勝3敗のタイが22日のペルー戦に勝ってもセット率で日本を上回れないため。イタリア、韓国、オランダも五輪出場権を獲得した。

 第3セットで宿敵イタリアに先に五輪出場権をさらわれ、1−2で迎えた第4セット。日本は24−18のセットポイントから“産みの苦しみ”に直面した。木村や長岡のスパイクが、何度もブロックに阻まれてもがく。だが、3点差に迫られた後、イタリアが自らのブロックのリバウンドを拾い損ねて25点目が転がり込んだ。2004年アテネ大会以来4大会連続の五輪出場がこの瞬間、勝敗より先に決まった。

 「前回(4年前)の五輪最終予選は、最終日まで決まらない経験(セルビア戦、フルセット負けで出場権獲得)があったので、きょう決めたい気持ちは強かった」と木村。1敗目を喫した17日の韓国戦で右手小指を痛めた影響もあり、20日のドミニカ共和国戦まで他選手の陰に隠れがちだったが、この日は両軍最多、スパイク28得点を含む31得点。セッター宮下、この日20歳になったウイングスパイカー古賀ら五輪を知らない若手たちがひたむきに上を目指す姿に、主将&エースアタッカーの闘志が再点火。「木村はすごかった。背中から炎が出ている感じがした」(真鍋監督)という獅子奮迅の働きだった。

 17歳だった03年ワールドカップ(W杯)で全日本に本格デビューして以来、五輪3大会、世界選手権3大会を経験し、大黒柱へと成長してきた木村。銅メダルを得た12年ロンドン大会の翌13年には真鍋監督の主将打診を一度断りながら最後は受け入れた。10年を超える代表経験もさることながら、若手、中堅、ベテラン、そのいずれの立場も共感できる人物は自身のほかにいないという危機感もあってのことだ。

 切符獲得の苦しみは4年前ほどではなかったものの、真鍋監督は「本大会でこんな試合をしていては、メダルは不可能であると重々承知している」と戦力不足を自覚。木村も「最終日(オランダ戦)は、五輪でもっと強い、日本らしい試合をするために勝って終わりたい」と前を見据えた。前回の銅メダルを超えるために鍛えてきたこの4年間の総決算まで、もう3カ月もない。 (武藤康弘)

 

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