どうも、最近車中泊を研究しているミヤザキです。
スズキのハスラーって街中でよく見掛けますよね。軽自動車のなかでもスゴイ人気で、車中泊もできるうえアウトドアにも大活躍するクルマだそうです。
車中泊という選択肢があれば、宿泊代を節約して美味しいモノを食べたり、出発時間を気にする必要もなくなります。時間に余裕を持ってマイペースに旅行を楽しめます。
というわけで、クルマ選びをされている方や遠出を旅行を検討されている方のため、ハスラーが優れている点や車中泊に欠かせない情報をまとめてみました。
目次
スズキーの軽自動車 ハスラーが人気の理由
「遊べる軽」というコンセプトのハスラーは、今までにないワゴンとSUVの組み合わせて作られた軽クロスオーバーSUVという車種です。
多彩なカラーバリエーションがあり、車内の内装も明るいカラーが使われています。親しみやすいインテリアが魅力的です。キャンプやスポーツなどのアクティブなライフスタイルで使いやすい内装になっています。
グレードによっては、2WD/4WDといった駆動性能やターボの有無も選べます。軽自動車としては初となる安全装備も搭載しており、滑りやすい急な下り坂においてブレーキ操作なしに一定速度(約7km/h)で走行できるヒルディセントコントロールという装備もあります。
近年の大ヒット作と言われており、グッドデザインやカーオブザイヤーを受賞しているハスラー。スズキのなかでいちばん売れている軽自動車です。
燃費性能と小回りが良い
軽クロスオーバーSUVという新ジャンルであるハスラーは、燃費性能も優れています。
実際に乗っている方の口コミを集めると、燃費は平均:19.00km/Lほど。中には、20.00km/Lを越えたという方もいます。軽自動車のジャンルのなかでも燃費が良い車種と言えます。
(参照元:みんカラ ハスラー/スズキ|燃費記録)
(引用元:ハスラー 走行・環境性能 | スズキ )
さらに、小回りがきくので、狭い路地や山道でも運転しやすい造りになっています。
箱型の四角いボディ形状でボンネットの先端が短いため、左右前方の確認がしやすいという利点もあります。フロントガラスが垂直で真っ直ぐになっているので前方の確認もラクです。
燃費が良く、小回りもきく。軽自動車でもガンガン走って出掛けたいユーザーにぴったりです。
車中泊向きのクルマのなかでも車両価格が安い
車中泊を考えて車を選ぶ場合、気になるのが車内の広さです。全身が収まるだけの全長が必要ですよね。
実は、軽自動車のハスラーでもうまくシートアレンジをすれば、普通車と変わらない車中泊スペースを確保できます。そのスペースの広さは、同じく車中泊のクルマとして人気のレガシィやフリードスパイクと比べても大きな差はありません。
それでいて、ハスラーの車両価格は101万〜178万ほど。レガシィやフリードスパイクと比べても、車両価格だけで80万円以上の差があります(フリードスパイクは174万〜235万。レガシィは200万オーバー)。
走行性などの車両性能の違いはありますが、車中泊できるクルマで選ぶなら、普通車よりも軽自動車のハスラーなどの方が断然安いというわけです。浮いた分で車中泊マットを買うこともできますね。
車中泊に適したグレードが選べる
大まかに分けると——
ハスラーのグレードは最上位のX、バランスの良いG、低価格のAの3つです。
Gはリヤシートがスライドするタイプ、Aはリヤシートが固定のタイプがあり、それぞれシートアレンジが異なります。
それぞれのグレードの違いについては、以下のとおりです。
| グレード | 価格帯 | 車中泊の可否 |
|---|---|---|
| A | 101~120万円 | 一人が限界。完全ではないが、フルフラットに近づけられる。 |
| G | 118~150万円 | 二人でも可能。シートがアウトドア向け。フルフラット向けのオプションが必要。 |
| X | 148~178万円 | 二人でも可能。シートがアウトドア向け。フルフラット向けのオプション標準装備。 |
車中泊用パッケージを付ければグンと快適になる
(引用元:スズキ、個性あふれる新型軽クロスオーバー「ハスラー」 – Car Watch)
ハスラーが車中泊に向いている理由として、車中泊パッケージという特徴的なオプションが用意されている点があります。
ベットクッション、シェード、カーテン、ラゲッジボードといった必須のアイテムが正規アクセサリーとして用意されています。普通車に比べて車両価格が安く抑えられるので、その分純正のアクセサリーを買い足すことができます。
写真右側にあるラゲッジボードは、小物を置くちょっとしたテーブルになりますし、車内の空間をムダなく使い切ることができます。買ったその場でアウトドア向けにカスタマイズというわけです。
実際に寝るときの車内スペースを徹底分析
実際に車中泊をする際のスペースと活用方法を見ていきましょう。こちらは、グレードGの車内です。
公式での室内スペースは、室内長 203.5cm、横幅 129.5cm、室内高 125cmとなっています。
写真で示しているように、実際に使える広さはこんな感じです。
・室内長 180〜190cm……シートを倒しきってフルフラットにした場合は、成人男性でも少し余裕があります。
・横幅 110cm……シングルベッドの横幅100cmより少し広いです。一人であれば余裕がありますが、二人だと少し狭く感じるかもしれません。
・室内高 125cm……リアシートを倒すと余る高さは85cmほど。日本人男性の平均的な座高が90cmなので、少し身を縮める必要がありますね。
グレード別:シートアレンジでフルフラットを作るやり方
先述したとおり、ハスラーはグレードによって、車中泊での使い方とシートアレンジが異なります。
・一人の場合……すべてのグレードで車中泊ができる。助手席側を使ってフルフラットに近いスペースを作り、段差や隙間を埋める必要がある。
・二人の場合……グレードGとXがおすすめ。運転席側も使ってフルフラットの状態を作る。そのために別途オプションが必要。
グレードA(リヤ固定シート)でのアレンジ
グレードAは、完全ではありませんが、フルフラットに近づけられます。
完全なフルフラットにできない理由はふたつあります。
まず、リアシートにスライド機構がないため、前席との調整ができません。くわえて、運転席をフラットにするための「運転席シートリフター」というオプション装備が選択できず、座席の高さが調整ができないのです。
そのため、運転席を後ろに倒した場合に高さ調整ができないため、前倒しにしたリアシートと干渉して出っ張りのような段差ができてしまいます。
助手席であれば、シートを前倒しにすればフラットに近い状態にできます。ただし、助手席とリアシートの間に隙間ができます。この隙間を埋めてマットを敷けば、一人分の車中泊スペースを確保できます。
グレードG(リヤスライドシート)でのアレンジ
グレードGは、オプションを装備すれば、二人で寝られるフルフラットの環境が作れます。
というのも、「運転席シートリフター」というオプションが標準装備されていないため、およそ64,800円のセットオプションで追加する必要があります(金額はおおよそです。店頭で詳しく確認してください)。
Gは、Aと違ってリアシートのスライド機構があるため、前席の運転席シートリフターと合わせて調整すれば、フラットにできます。シートリフターを最大限に上げれば、前席がスポッとはまる位置まで調整できるようになっています(ヘッドレストを外す必要があります)。
運転席と助手席を倒して調整すれば、このように隙間がないフラットになります。
(引用元:九州スズキ販売 北九州支店» ブログアーカイブ» 2014/02/15)
最上位のグレードXでのアレンジ
グレードXでは、「運転席シートリフター」が標準装備されています。グレードGで説明したように運転席側をフラットにできるので、二人での車中泊にも対応できます。
一人分のスペースでいい場合は、助手席を使いましょう。グレードAと同様にシートを前倒しにしてスライドさせれば、できるかぎり隙間を埋めた状態でフラットにできます。リアシートがスライドできるので、グレードAよりも隙間を埋められるようになっています。隙間の埋め方については、記事内の【3.2 シートの段差・隙間を埋める方法】を参考にしてください。
参考例:グレードGで一人分の車中泊スペースを作る流れ
実際に一人分のスペースを作ってみたので、写真で紹介します。
まず、リアシートを倒します。ヘッドレストの横にあるレバーを引きます。
このような状態になるので、段差が気になる方はヘッドレストを外しておきましょう。
次に助手席側を倒すために、座席を上げます。ここに収納スペースがあるので、ヘッドレストを入れてもいいですね。
前倒しにすれば、このようにフラットになります。リアシートとほぼおなじ高さとなります。
前倒しのシートアレンジでは、リアシートを最大限にスライドさせても、このように隙間が残ります。
前席を後ろに倒すよりも段差が小さく済みますが、そのぶん、隙間ができてしまいます。この対策については後の方で書いておきます。
車中泊のクルマにハスラーを選ぶ際の注意点
これまでに説明したように、カーディーラーや中古車屋さんで下見をする際は、シートアレンジやグレードの違いに気をつけましょう。
グレードGやXでの「運転席シートリフター」のオプション装備など、営業の方も分かっていない場合があるそうです。フルフラットにできるかどうか、実際にシートを調整してチェックすることをおすすめします。
この他にも、助手席やリアドアの収納スペース、トレーやテーブルといった拡張機能も入念に見ておきましょう。グレードGでは、リアに電源を供給するラゲッジアクセサリーソケットが付いているようです。思っていた以上に便利だと感じるかもしれません。
(引用元:ハスラー 収納スペース | スズキ)
ハスラーで快適に寝るための方法
ハスラーでは、シートアレンジによって前席側に段差や隙間ができます。そして、リアシート側の方が少し下がっており、傾斜があります。
頭の方を高くして寝ることを考えると、リアシート側に何かを敷いて高くするか、前席側の段差や隙間を解消しなければいけません。
シートの段差・隙間について
ハスラーをフルフラットにする際、3つの段差と隙間があります。
①前席の座面部分……1列目シートの座面と背もたれに5cmほどの段差があります。
②運転席と助手席の間……わずかですが、席の間に隙間があります。
③前席とリアシートのつなぎ目…前席のシートを最大まで下げ、リアシートを前までスライドさせた場合、つなぎ目の幅25cm、高さ25cmほどの隙間ができます。
シートの段差・隙間を埋める方法
①や②の小さな段差の場合、厚手の座布団、クッション、枕などで埋めることができます。そのうえから固いダンボールなどを敷いて沈まないようにすれば、デコボコを減らせます。
ハスラーの場合、リアシートの素材がプラスチックなので、固くてゴツゴツとしています。ダンボールだとクッション性が足りない場合があるので、そういったときはホームセンターで手に入る銀マットやマットレスを活用しましょう。
ある程度フラットになったら、マットレスを敷きましょう。ここは厚手の銀マットでも大丈夫です。このうえに寝袋や毛布を敷けば、縦幅180cm、横幅60〜110cmほどのスペースで寝られます。実際に車中泊をしている人は、座布団と寝袋、シュラフを活用しています。
③の段差ができる(助手席を前倒しにした)場合、クーラーボックスや中身の詰まったダンボールといった箱状のモノで隙間を埋めなければいけません。
もし隙間を埋めるモノがなければ、コンパネなどの固い板を用意しておきましょう。
幅60cmほどのコンパネに布を貼り、縦の長さ(約180cm)に合わせて3〜4枚ほど組み合わせれば、しっかりとした下敷き(ベッド)ができあがります。そのうえに弾力性が高いシュラフやマットレスを敷けば、縦幅を広く使えて快適です。
(参考例:日々是れ変化:2014年09月 – livedoor Blog(ブログ) )
ハスラーの車中泊マットレスについて
これまで書いたとおり、ほぼフラットになるハスラーのシートでも、わずかな段差や隙間が生まれます。そのまま横になると、身体のどこかに負担が掛かるので、安眠のためにはマットレスを使うのがベストです。
マットレスは、純正品の他に低価格の汎用品も出ており、3000円〜40,000円ほどの価格帯です。それぞれ材質や特徴が異なり、寝心地や快適さ、断熱や収納性に違いがあります。
たくさんの口コミの中から、ハスラーで実際に使われているマットレスについて値段別で紹介します。
一人で車中泊をする場合
幅広く使える携帯性に優れたサーマレスト
こちらのサーマレスト(レギュラータイプ)は、8000円ほど。
アウトドア全般で利用できるようにクッション性が高められており、岩場や小石のうえで敷いても多少のゴツゴツは気になりません。片側にアルミ蒸着が施されており、断熱性や摩耗への耐性もバッチリです。普通の銀マットとはまったく違います。
重量は、Zライトの名前通り、レギュラーで490g。100円前後のペットボトル三個分ほどです。軽いのか疑問に思う方もいるかもしれませんが、他のマットレスは1kgを越えるものが多いです。このマットは、他の半分以下の重さということになります。
さらに折りたたみ式で簡単に展開&収納できるので、他のマットレスに比べて車内で保管しやすいです。
デメリットとして、他の銀マットに比べると価格が高めです。同じ価格帯で低価格の車中泊用マットが買えてしまいます。
ただ、キャンプや登山時などのアウトドアシーンで幅広く使えるので、サーマレストの方が何かと便利な方もいるでしょう。DIYや加工が面倒くさい、すぐに使いたいという方にはもってこいです。
しっかり寝られる車中泊用エアマット
こちらFIELDOORのエアマットは 6000円ほど。サーマレストより安く、Amazonで高評価の汎用マットレスです。
5cmの十分な厚みがあり、長さも200cmあります。低反発マットのような寝心地があり、ぐっすり眠れます。レビューでも寝心地の良さが好評です。
ツマミを捻ってバルブを開くだけでカンタンに膨らむ設計になっており、使わないときには空気を抜いて折りたためます。
デメリットとして、重量が2.3kgもあってサーマレストより重いこと、収納するときが少し面倒なこと、膨らむまでに時間が掛かるという点があります。
しかし、セッテイングと持ち運びの便利さを考えると余りあるほど非常にコスパが良いです。純正品の7分の1ほどの値段ですからね。
カラーバリエーションが三種類あったり、もう一枚のマットと連結して二人用にすることもできます。屋内でも使えるので、来客時の簡易的な寝泊まりに利用する方もいるそうです。
二人で車中泊をする場合
とにかく安いニトリのウレタンマット
こちらのニトリの6つ折りマットレスは、3000円という安さで手に入ります。
二人用であれば、運転席のスペースを使ってマットレスを敷き詰める方法があります。スペースにぴったりにはまり、非常にリーズナブルなので、ホンダのN-BOXのカタログでも推奨されているそうです。
実際のサイズは、幅100cm×奥行き200cm×厚さ3cm。これひとつで車内全体に敷き詰められるのは便利です。
デメリットとして、他の汎用マットレスに比べると少し薄いので、断熱性とクッション性が低いです。デコボコが大きい車種には不向きでしょう(※今回のハスラー程度のデコボコであれば、十分に使えると思います)。
また、折りたたんだ状態でもかさばります。車内に保管する際は、けっこうスペースを取りますね。
しかし、3000円というずば抜けた安さとニトリで買える手軽さが魅力です。年間50泊以上の使用頻度が高い方にはオススメできませんが、とにかくコストを安く抑えたいという方に向いています。
低価格エアマットの二枚セット
先ほど紹介したFILEDOORのエアマットであれば、二個合わせても10000円ほど。他の10000円を越える汎用マットレスと比べれば、十分に安いマットレスです。
レビューでも寝心地の良さやコスパの良さが評価されているので、値段を気にされる方はぜひチェックしてみてください。
まとめ:ハスラーは車中泊向きの軽自動車
さいごに、これまで書いたポイントをまとめておきます。
・軽自動車としての魅力……平均:19.00km/Lの燃費の良さに加えて、小回りが良くて女性でも運転しやすい。なにより車両価格が安い。
・車中泊に適したインテリア……シートバックテーブルやインパネボックス、汚れを拭き取れるラゲッジフロアや電源を供給するラゲッジアクセサリーソケットといった痒いところに手が届く設備がある。
・車中泊もできるスペース……室内長 180〜190cm、横幅 110cm、室内高 125cmという二人でも寝られそうな広々スペースが作れる。
いかがだったでしょうか。クルマ選びや車中泊の際、この記事がお役に立てば幸いです。
大ヒット作だけあって、普段の街乗りからアウトドアでの車中泊まで、乗り手のワガママに応えてくれそうなクルマですね。
ハスラーのユーザーさんも多いので、今後もどんどん車中泊の実体験やグッズの情報を更新していく予定です。
他の車種のまとめも追加していくので、「また見てみようかな」という方は、ぜひブクマやPocketをお願いします