【フランクフルト=下田英一郎】ドイツ太陽電池大手のQセルズは27日、日本市場に本格参入すると発表した。住宅向け太陽電池システムを販売するため、地域の業者を対象とした販売促進組織「Qセルズ・マイスター・クラブ」(QMC)を発足させた。東京電力の福島第1原子力発電所事故を機に再生可能エネルギーの需要が増えるとみて事業基盤を整える。
QMCの加盟業者には、Qセルズが太陽電池システムの設置方法や販売ノウハウの供与などで支援する。QMCにはすでに約30業者が登録済みで、年内にさらに拡大を狙う。日本の太陽電池市場は9割が住宅市場向けで、2011年は100万キロワットの需要が見込めるという。
Qセルズのネディム・チェン最高経営責任者(CEO)は「QMCは東日本大震災の発生以前から計画していたが、今後太陽光は日本にとって重要なエネルギー源になると確信している」と述べ、アジア事業の柱として日本市場を開拓していく方針を示した。
Qセルズの主力市場であるドイツは今年、太陽電池に対する補助金を削減する方針で、需要が伸び悩む見通し。Qセルズは海外展開の加速を急いでいる。
