毎日のように、殺伐とした事件が起きている。
この世の中は、何かがおかしい。
自分の命を、他人の命を、どう思っているのだろうか?
自分の命の終わりを、誰もが一度は考えた事があるだろう。
余命を告げられた方がいいのか
余命など、知らずにいたいのか
もし命のタイムリミットが解ったなら、その時までどんな風に過ごすのだろうか
健康な人は、自分が明日で死ぬなんて夢にも思わない。
今日という日が終わる時、人は明日の予定を考える。
明日は遊びに行こう。明日こそあれをやらなくちゃ。
明日の次にはまた明日が、当たり前のようにやって来る。
でも、それは当たり前の事なんかじゃなかった。
映画「せか猫」を観てきました。
原作は、川村元気によるベストセラー「世界から猫が消えたなら」です。
2013年の本屋大賞にノミネートされたそうですが、読んでいません。
映画館で予告編を見てから、気になってはいたのですが
「余命宣告された主人公の前に、突然悪魔が表れて…」
という設定が受け入れ難く、観るかどうか迷いました。
でも試写会で多くの人が泣いているCMを見て、行く事にしました。私も涙活したい。
明日死ぬ運命の「僕」と、主人公にそっくりの「悪魔」は、どちらも佐藤健が演じます。
撮影技術と佐藤健の見事な演じ分けによって、何の違和感もなく物語に惹き込まれていきました。
「世界から何かひとつ”もの”を消せば、あと1日生きられる」
「世界から何かひとつ”もの”を消せば、あと1日生きられる」
と言う悪魔の言葉通り、世界から”もの”が無くなっていきます。
そして”もの”が無くなると、”もの”との思い出も全て一緒に消えてしまうのです。
私は犬派ですが猫も大好きなので、猫が消えてしまったら困るなぁ。
劇場ではやはり若い方が多く、佐藤健や元カノ役の宮崎あおいのファンなのかも知れませんね。
キャストは演技派の役者さん揃いで、猫達も芸達者でした。
そして私は自分と年齢の近い、母親役の原田美枝子の演技にうるっときました。
原田美枝子は、若かりし頃「あゝ野麦峠」での体当たり演技が印象的でしたが、先日TVで「乱」を見て、鬼気迫る「楓の方」は一体誰だろうと思ったら、原田美枝子でした。
そして「せか猫」では、慈愛に満ちた母親役を見事に演じきっていて、最期まで子を思う、親の気持ちが痛いほど伝わって来ました。
物語と共に淡々と流れるピアノの調べも
ロケ地、函館のレトロな街並みも
アルゼンチンの太陽光眩しい風景も
ラストに流れる主題歌も
とっても良かったです!
それから物語の中で、たくさんの映画の話題が出てきます。
私は、それらの映画を観ていないのでピンとこないのですが、映画好きの方には話題の部分も楽しめると思います。
自分の命の終わりを知る事が出来たなら…
知らぬまま命がプツンと絶たれてしまうよりも、その方が私はいい。
この映画を観て、そう思いました。
あなたなら、どうですか?
ケチなのでいつもグッズは買わないのですが…
チャリティなので、買ってみました。
浅草・今戸神社のお守りマスコットですって。
日本の犬猫の 殺処分、放棄、虐待行為ゼロを目指す活動に役立てられるそうです。