「暴行発覚恐れ殺害」…米軍属が供述
刺し傷、骨まで
沖縄県うるま市の女性会社員(20)が遺体で見つかった事件で、死体遺棄容疑で逮捕された元米海兵隊員の軍属、シンザト・ケネフ・フランクリン容疑者(32)が「強姦(ごうかん)し、発覚を恐れて殺害した」という趣旨の供述をしていることが、捜査関係者への取材で分かった。事件の2、3時間前からわいせつ目的で相手を物色し、面識のない被害者の女性を見つけて後方から棒で頭を殴ったという。女性の骨には刃物の傷が残っており、県警は、シンザト容疑者が女性に騒がれないよう背後から襲撃し、性的暴行を加えた上で強い殺意を持って刺殺した計画的な事件の可能性があるとみて殺人容疑なども念頭に追及する。【志村一也、尾垣和幸】
捜査関係者によると、シンザト容疑者は「首を絞めて刃物で刺した。凶器は捨てた」と供述しており、使用車両の内部からは女性の血痕やDNA型も検出された。さらに「遺体を事前に用意したスーツケースに入れて運んだ。スーツケースもその後捨てた」と供述していることも判明。遺体はうるま市から北に約20キロ離れた沖縄県恩納(おんな)村の雑木林で見つかっており、シンザト容疑者が発覚を免れようと遺体をスーツケースに隠して車で運んだ可能性も浮上した。
また、遺体が見つかった現場近くからは、新たに女性が履いていたとみられる赤いジョギングシューズも見つかった。スマートフォンなどの所持品は見つかっておらず、県警は21日、現場周辺やシンザト容疑者の自宅などを捜索した。
女性は4月28日午後8時ごろ、同居する交際相手の男性に「ウオーキングしてくる」とスマートフォンの無料通信アプリ「LINE(ライン)」で伝えた後、行方が分からなくなった。
女性のスマートフォンの位置情報は翌29日午前2時40分ごろ、自宅から1〜2キロ離れたうるま市州崎で途絶えており、周辺の防犯カメラには米軍関係者が乗る「Yナンバー」のシンザト容疑者の車が映っていた。