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【社会】裁判員制度スタート7年 欠席4割に迫る裁判員制度がスタートしてから二十一日で丸七年。これまで裁判員や補充裁判員を経験した市民は計約六万八千人に上る。制度は定着しつつある一方、裁判員を選ぶ手続きへの出席率低下が止まらないといった課題も浮かんでいる。 最高裁によると、制度開始の二〇〇九年五月から今年三月までに五万六百三人が裁判員に、一万七千二百二十五人が補充裁判員にそれぞれ選任された。判決を言い渡された被告は八千七百九十一人。 事前に辞退が認められた人を除き、選任手続きに出席を求められた裁判員候補者が実際に裁判所に来た割合は、〇九年の83・9%から毎年下がり続け、昨年は67・5%だった。さらに今年は三月時点で63・1%に落ち込んでいる。 最高裁は要因の一つとして、審理期間の長い事件が増え、期間を事前に知らされた段階で参加できないと判断してしまう候補者が増えていると分析。初公判から判決までの平均期間は〇九年の三・七日から延び続けており、昨年は過去最長の九・四日だった。 このほか最高裁は(1)雇用情勢の変化で人手不足の職場が多く、休みづらくなっている(2)制度への関心自体が低下している−といった事情があると推測。裁判員経験者に依頼し、民間企業に出向いて、審理に参加して良かったと感じたことを講義してもらうなど、広報強化に努める方針だ。最高裁の担当者は「今の水準が問題とは思わないが、出席率が低すぎると、年齢や職業など裁判員の構成が偏る恐れがある。地道に参加を呼び掛けたい」と話す。 今年三月末までに裁判員裁判で死刑を言い渡されたのは二十七人で十人が確定した。極刑適用の是非の判断を迫られたり、残酷な証拠を見せられたりした裁判員の精神的負担を和らげる手だても求められている。 PR情報
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