初めましての方が多いでしょうか
お久しぶりの方も見ていただいているでしょうか
こんにちは、MDKと申します
3年前のジャパンカップを最期にポケモンはプレイしていなかったのですが
今回のレギュレーションであるGSルールに6年前に置いてきたものがあったので
借りを返そうと思い立った次第です
ただ復帰したのが本番1ヶ月前と非常に遅く、社会人故に時間も限られているので所々詰めが甘い部分が残ってしまいましたが見ていただけると嬉しいです
前置きが長くなりましたが使用構築、経緯、プラン、個別解説、総括の順に書いていこうと思います
使用構築
BIG6と呼ばれるアーキタイプです
目を引くところといえばドーブルの拘りスカーフでしょうか
このキャラクターを中心にプランを作成しているので後述します
経緯
このルールで最もパワーが高いモンスターは間違いなくゼルネアスです
それ故にマークが厳しく、本来の力を発揮できないまま倒される事も多いかと思います
ただ幸いなことに近年は情報の流通が格段に早く、全国果ては全世界のトーナメントで披露されたパーティは即座にチェックすることが可能です
それら優秀な成績のパーティには有名所の対策プランが練りこまれていますのでキャリアが短い僕でもメタゲームの現状を垣間見ることが出来ました
つまり僕が求めたものは”メタを掻い潜って強い動きを通す”ことです
それは対戦ゲームでの勝ち方において最も分かりやすく初歩的なものだということは間違いありません
それが簡単であるかは別の話ですが
ゲームプラン
ゲームプランは単純明快、ゼルネアスでの制圧です
これに対するあらゆる弊害を乗り越えていきます
スカーフドーブル
※スカーフダークホールについてですが、今回は予選という枠組みであったということを頭の隅に置いておいてから読んでいただけると幸いです
先でも少し触れたスカーフドーブルですが元々の採用理由はミラーマッチに強く出ることができたからです
BIG6というアーキタイプはこれまでのルールでも類を見ないほどに6体全てがテンプレートとして確立しています
故に全体ミラーの発生率が高く、その都度頭を悩ませているようでは話になりません
ミラーに勝つ事はメタうんぬんよりも初めに意識するべき課題です
vsBIG6(ミラーマッチ)
このミラーマッチ、プレイヤーによって認識や用意したプランに差異があるため様々な先発が飛び出してきます
…etc
これ(とドーブル)こそが大半のプレイヤーがミラーマッチを嫌う理由かと思うのですがスカーフドーブル+ガルーラ猫騙しはこの全てに対して上からダークホールを通すことが可能です
ガルーラにグロウパンチが入っているのも眠っている隙に盤面に脅威を展開しておきたかったからです
よくミラーマッチでグラードンをプレイしてくる人がいますが僕はこの使用に消極的で、特殊型であればなおさら選出する意味は薄いと感じています
「伝説だからとりあえず出す」というしがらみから少し離れてみると考えやすいかもしれません
vsレックオーガ
グラードン+ゼルネアスに強く出れるという事でメタゲームの三角関係にも食い込んでくる一大勢力です
ゼルネアスに強いクロバット+ゲンガーと共に構築されている事が多く、それらでゼルネアスを相手にした後、引きずり出したグラードンをカイオーガ+レックウザで食い物にするというのが一般的なゲームプランです
眠り状態をラムの実で回復したクロバットの追い風に対して、こちらも追い風をプレイすることで状況をイーブンにもどします
ボーマンダに目覚めるパワー氷を打ってくるゲンガーが多いですが此方のドーブルが拘りスカーフであるためその攻撃は叶いません
メンタルハーブ持ちのドーブルが一定数いてくれたおかげで初手から挑発をプレイしてくるクロバットが少なかったのもかなりの追い風でした
また現状クロバット+ゲンガーへのBIG6側の初手はガルーラ+ファイアローが有名であるため、それの崩しを狙った威嚇持ちの選出なども同時に刈り取ることができます
クロバット+ゲンガーが同居していない型に対しては初手からドーブルorガルーラ+ゼルネアスでゼルネアスの成立を狙っていきます
この型にはなんらかの鋼枠が入っていることが多いので鋼+ゲンシカイオーガを解決するためにもレックウザを承知の上でグラードンを選出します
理想的な展開としてはグラードンでレックウザを釣り、グラードンは下げながらレックウザを処理して、最終盤面でグラードン+αとカイオーガ+鋼(天候晴れ)の対面を狙っていきます
vsグラカイドータ
個々のパワーがトップクラスであるグラードンとカイオーガを贅沢に2体とも採用し、ゼルネアスに強いドータクンをトリックルーム始動役に置いたこれまたトップメタの一角です
ドータクンの持ち物、特性が判別しづらいのもあり対処が面倒なのですがこちらも先のBIG6戦と同じくガルーラ+ドーブルを取り、ドータクンへ猫騙しを打ちつつ催眠二重掛けによるメンタルハーブ、ラムの実両方のケアを狙っていきます
しかしこれが成立するのは(ボーマンダorカイオーガor猫無しドーブル)+ドータクンの時であり
(猫有りドーブルorガルーラ)+ドータクンの時はお互いに猫騙しで1ターン目を消費した後ラムの実が残っているドータクンを相手にしなければなりません
この時拘りスカーフによる縛りはまだ発生していないのでドーブルは技を選びなおすことが可能です
当初はトリックを採用していたのですがそもそもトリックルームを打たれること自体が後手の展開になってしまい、次に試した手助け+噛み砕くプランは横をフリーにしてしまうので却下
よってドーブルの3つ目の技はメンタルハーブを割り切って挑発にしました
現状メンタルハーブを引いたのはShowdownで2戦ほどだったので良かったと言えば良かったですが甘さが残るプランになってしまっています
うまく眠らせた時はグロウパンチを積みながら噛み砕くでドータクンを除けてから制圧していきます
トリックルームを通された時は相当分が悪いですが猫騙し持ちを回し、守ると合わせてターンを稼ぎながら最終ターンに2回目の始動を許さないよう、ドータクンの前に脅威を並べる必要があります
vsイベルタル
ポケットモンスターXYの看板伝説双璧としてリリースされたイベルタルですが、もう片方が圧倒的な注目を集めた故に影の道を歩む運命と思われていました
しかしゼルネアスを始点としたメタゲームが進み、上記のオーガレック、グラカイドータ等のアーキタイプが台頭していく中、それらに有利を取れるという事で開拓が進められ徐々に頭角を現してきます
シェア率こそ少々控えめですがこれも一つのアーキタイプとして確立され、メタゲームに食い込んでくる形となりました
これとのマッチアップは基本的にこちら側が有利であるため特に深く考える事はありませんが、イベルタル側もゼルネアスへは別プランを用意している事が大半ですのでそちらに気を配ります
よく見るのはクロバット+ゲンガーとの同居型やクチート+ゲンシカイオーガ(orゲンシグラードン)、またはそのハイブリットです
それぞれ対処プランは別の項に記載していますので、相手がどのプランでゼルネアスを見ているかを見極め、適切な選出を目指しましょう
vs悪戯心
このルールではボルトロス、エルフーン、レパルダスなどの悪戯心を使った絡め手アーキタイプも多く見るようになりました
これらのコンボパーティを相手にするのは基本的にファイアロー+αでファストガードや先制ブレイブバードで崩しを狙っていきますが化身ボルトロスはファイアローを一撃で沈められるためかなり重い相手です
これがガルーラと組んで出られるとかなりお手上げで、しかし数は増える一方であったという認識でした
そこでスカーフドーブルの最後の枠にファストガードを採用しました
ファストガードは本来優先度+3であるためそれより早い素早さの猫騙しは止めることができないのですがドーブルがスカーフである利点がここでも生きます
ファストガードの猫騙しを止められない仕様に嘆いていた時期もありましたが現状の仕様故に相手は無警戒で猫騙しを打ってくるため最終的に追い風となった格好です
ガルーラ+ボルトロスのマッチアップでは先発にドーブル+ゼルネアスでファストガードを打ちながらジオコントロールをプレイします
この後ドーブルは死ぬまでファストガードをプレイし続け、ゼルネアスが電磁波を食らわない事に努めます
ここで後発にガルーラを用意していないとボルトロスが生き残っていた場合結局二択で電磁波をもらってしまうため後発はガルーラを用意
猫騙しをボルトロス方面に打ちながら攻め続け、ボルトロスに守られたら次のターンこちらのゼルネアスが守ることによって電磁波をもらう可能性は一切ありません
以上がシェア率上位のパーティに対するプランです
元が強力なパーティは想定範囲外の相手に対しても落としにくいのが大きな利点であると言えます
メタ外のパーティに当たっても自分の方がパーティパワーが高いと信じ落ち着いてプレイすることが重要ですね
個別解説
控えめ
実数値 H233-Ax-B125-C182-D119-S127
努力値 H252-A0-B76-C116-D4-S60
耐久に降りたかったため耐久に厚く降りました
最低限のSラインとして1段階上昇後に最速メガボーマンダ抜き(ジオコントロールを積んだ後に凍える風を通された場合など)
Cは2段階上昇でH振りメガガルーラをムーンフォースで仕留めることができます
結果的にずっと使ってた臆病全振りと火力が変わらないため体感を信じることができたのも大きいです
Bに寄せるかどうかが煮詰まり不足なところでした
全寄せしてもいいと思います
控えめ
実数値 H193-Ax-B181-C189-D125-S140
努力値 H140-A0-B4-C12-D116-S236
相手の臆病CSグラードンの大地の力を確定で耐え、かつ無振りグラードンを確定で落とせる、グラードン同士の運命戦に強いデザインです
元々ミラーマッチでもグラードンを選出していたためこの配分だったのですが最終的に選出しなくなったため配分に意味が生じることは減りました
しかしながらもう耐久無振りのグラードンは使う気にならず、かといってCに不満があったわけでもなく、Sは最速ドーブルまで抜けているのでこのまま使い、特に問題は無かったです
陽気
実数値 H181-A177-B120-Cx-D120-S167
努力値 H4-A252-B0-C0-D0-S252
僕が嫌いな極振り配分です
ただグロウパンチ型にしてメインウェポンをやつあたりに変更した事と、ドータクンへの噛み砕くの火力が必要なため攻撃を削るのは無しだなと感じAS極振りへ
よくあるのがガルーラとのミラーマッチ意識のけたぐり耐え配分ですがこのパーティだと横がスカーフドーブルである事が多かったので被弾する機会があまり無く、無問題でした
グロウパンチ型の少し面白いプレイとして相手が不意打ちを警戒してくれるという事が挙げられます
故に常に相手を後手に回らせることが可能で、自分が不意打ちを持っていなくても”ガルーラは不意打ちを覚える”という事実こそが相手にプレッシャーとして降りかかります
クレセリアなど倒す際は極力かみくだくを見せずに倒すように心がけ、常に不意打ちのプレッシャーに晒し続けることが重要です
せっかち
実数値 H171-A166-B135-C168-D114-S189
努力値 H4-A4-C220-D28-S252
ゼルネアスのマジカルシャインを耐える、今やテンプレート的な配分です
サブウェポンには当初流星群を採用していたのですが打つ機会があまりに少なく、先に挙げたドーブル+ボーマンダでクロバット+ゲンガーを見るプランを採用したために追い風にしました
クロバゲンガー相手以外でも相手の追い風に対してプレイする機会は多く、環境がこの追い風にある以上、こちらも追い風を採用しなければ追いつくことが難しいという印象です
故に自分だけ追い風が掛かっているという状況を前提にしたプランは信頼に欠けるということも覚えておく必要があります
陽気
実数値 H136-A40-B87-Cx-D65-S134
今回のパーティのメインコンセプト
全てのプレイヤーの怒り、喜び、悲しみ、願いを一身に受けるVGC2016最恐モンスターです
配分ですが最低限スカーフ巻いて130族を抜けるところまでSを確保して残りをHに回すことで威嚇を入れた鉢巻ファイアローのブレイブバードを耐えることができます
スカーフドーブルのミラーに直面して相手も猫持ちを並べてきてかつ次のターンの同速に勝利する確率と並べて考えた結果最速ではなく上記の配分にしました
結果的にスカーフドーブルを引くことはなく、威嚇を入れたファイアローも命の珠持ちが大半でしたが、道具を判別できない段階で心に余裕があるかないかでは相当違ってくるのでこの配分で良かったと思います
またドーブルに限った話ではありませんが、スカーフ持ちのモンスターを運用する際は相手が拘りスカーフというアイテムが判別できるシーンが有ったかを常に考える必要があります
猫騙しの打ち合いなどが生じた際に起こりやすい出来事で相手側に情報アドバンテージが回っていないかは気に留めておきましょう
意地っ張り
実数値 H153-A146-B91-Cx-D90-S178
努力値 H4-A252-B0-C0-D0-S252
悪戯心持ちへのファストガードや追い風でのサポートから疾風の翼ブレイブバードでの縛り関係の逆転などを器用にこなす低種族値オブザイヤー受賞ポケモン
一切使わなかったフレアドライブを除きよく働いてくれました
バトルボックス登録の段階で8割型使わないだろうなとは思っていたのですがその段階で10割にまで到達できてなかったのが未熟な部分であると言わざるを得ません
使用しなかった理由は簡単で、フレアドライブを打ちたい相手はゲンシカイオーガを用意している事が大半であり、ゲンシカイオーガがいない相手にはフレアドライブを打ちたい相手がいないからに他なりません
変更先の候補ですが魅力的な補助技を多く覚えるポケモンであるためどれも一考の余地ありです
総括
今回は主に調整をPokemon Showdownで行い、最終的にレート1810で3位まで食い込むことができたのでそこそこの自信を持って臨むことが出来ました
ドーブルの項でも触れていた”予選用”という意味合いは事前になるべく先のターンまでのプランが用意できる構築にし、一戦ごとの負担を減らすという事です
最大40戦という長いラウンドかつ、思考時間も短いこのフォーマットでは”ミスをしない”というのはかなり難しい課題です
対戦が始まってしまえば45秒という短い時間でプレイを決定しなければいけませんが、大会が始まるまでの間、すなわちプランを決定する時間はそれとは比較にならないくらい多く存在する事でしょう
プランが用意できていればそれに沿うようプレイする事で脳への負担を減らし、結果的に集中力が問われるシーンに労力を温存でき、ミスが減ります
今回はその予選用ということであまり綺麗な構築には纏まっていませんが全国大会への出場が叶った際は美しいパーティを公開できるよう努めますので宜しくお願いします
長文読んでいただきありがとうございました