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ブランドを作る

個人のための経営学

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どうも、Toshiroです。いつもお読みいただきありがとうございます。今回は「ブランドを作る」というテーマで書いていきます。

 ブランドとは

「ブランド」というと多くの人はシャネルとかグッチとか、そういったものを想像されると思います。

ブランドの本来の意味は焼印です。牛を飼っていた農家たちが、他の農家の牛と間違われないようにするために、焼印を付けていました。つまりブランドとは他との区別なのです。

日ごろブランドという言葉をよく見聞きしますが、それは単に高いモノを指しているのではなく、他と区別されたものを指しています。

日本人はブランド作りが苦手

繰り返しになりますが、多くの人がブランドというと、シャネル、グッチ、ヴィトン、エルメス、ブルガリ、カルティエ、というように海外の、特に西洋のものを想像すると思います。もちろん日本にもSonyやPanasonicといったブランドもありますが、ブランドというと西洋のイメージが強いのではないか、と思います。

ではなぜ西洋に有名ブランドが多いのかというと西洋の方がブランド形成が得意だからです。西洋では「個」を強く意識します。その理由は様々な議論がありますが、キリスト教という個と神の関係性に由来するもの、大陸故の外敵を意識したもの、湿気の低さといった気候的要因などなどとにかく個を意識するようになっています。

西洋では自分という存在は他とは完全に切り離された、完全に独立した存在と認識し、目的達成のためには自分を高めることが重要である、と考えます。目的達成の要因は外に出はなく、自分に内在すると考えるので、他人になろうという発想はあまりしません。

10人いれば10人の、100人いれば100人の価値観が存在するので、自分というものを追求すれば必然的に他のものとは区別されていきます。これがブランドの形成に役立っているのです。

逆に日本では(日本に限らず東洋全般に言えることですが)、自分よりもその周囲を重視します。儒教や仏教といった宗教的要因や、もやもやした感じを与える湿度の高さ(日本の建築がわかりやすいです、日本に部屋は存在しません)などの影響で、あらゆるものは相互に影響し合っている、一体である、という考え方をします。

なので日本では自分らしさの追求ではなく、空気を読み、周囲に合わせます。最近では日本でも個性が主張されるようになり、様々な人が出てきましたが、「個性を大切にする」「人と違うことをする」という点ではみんな同じことを考えており、結果的に空気を読んでいるわけです。個が発達しないのでブランドも作られません。

ここで言っているのは西洋が正しくて日本(東洋)が間違っているというのではありません。どちらも正しいし、大切です。そうではなく比重の問題です。日本的になりすぎると個がわからなくなるから、西洋の考え方も取り入れてみましょう、ということです。

価格競争

ブランドがない、つまり他と区別されていない状態が続くと、その先には価格競争が待っています。みんながみんな全く同じ商品を売るなら、どこで差を付けるかというと価格を安くするしかありません。

一昔前は性能の高いものを作れば売れましたが、今はそうはなっていません。最近は映像が綺麗な4kや8kのテレビが出てきましたが、多くの人の意見としては「そんなに映像が綺麗になってもなぁ」というような感じです。

単に性能や品質を上げれば売れる、という時代はもう終わりました。みんな必要な物は既に持っていて、物を必要としていないからです。

確かに昔は高性能の商品が売れました。しかし過去がそうだったから未来もなるとは限りません。それは帰納法的な考え方ですが、帰納法では未来を予測出来ません。コインを5回投げ表・表・表・表・表と出たからといって6回目も表になるとは限りません。

経営をするためには儲けなければなりません。血液が止まれば死んでしまうように、お金の流れが止まれば経営は破たんします。価格競争が起きれば売り上げは出ても利益は出ません。これでは潰れます。

これは会社組織に限ったことではなく、個人においても同じことが言えます。個人を労働力という商品と認識するならば、同じような労働力を雇うならば安い方がいいに決まっています。

ブランドを作る

価格競争を避けるためにもブランドは作るべきです。同じ商品だから安さを求めるのであって、違いがあるのならば価格競争は起きません。

例えば、時計。日本の時計は世界でもトップクラスの性能があり、時計は本当に誤差がありません。正確な時間を示してくれます。時計は時間を示すものですから、誤差がないというのは質が高いということです。しかも軽くて丈夫で、付けているもの忘れるくらいです。超高性能ですが、その価格は1万程度で買えてしまいます。

一方ロレックスはごつくて、大きくて、重くて、存在感のある時計を販売しました。1万なんかでは買えません。それでも売れるのです。なぜなら消費者は時計ではなくロレックスを求めているからです。

ある程度の品質があるのは大前提ですが、機能が良いから売れるわけでもなく、安いから売れるというわけでもありません。しっかりとしたブランドがあれば、区別されていれば売れるのです。

ではブランドを作るにはどうすればいいのかというと、自分のやりたいことをそのまま追求すればいいのです。周りが反対しようが何だろうが、自分のやりたいことを追求していけば、個性が生まれてきます。

髪型を変えたから、服装を変えたから個性が生まれるというのではなく、自分の中にあるものを時間をかけて育てていけば、おのずと違いが生まれてきます。

 

本日もお読みいただきありがとうございました。

Toshiroでした。それでは、また。