蹴球探訪
奇跡の初優勝見えた レスター・岡崎が激白「試合後はいつも悔しい」(4月27日)
【首都スポ】女子ラグビー 日体大がセブンズに新風 シリーズ第2戦を制す2016年5月21日 紙面から
◇太陽生命ウィメンズセブンズシリーズ女子セブンズに新風が吹いた! 女子7人制ラグビーの年間王者を争う太陽生命ウィメンズセブンズシリーズは14〜15日、第2戦の秋田大会を秋田県のあきぎんスタジアムで開催。日本体育大学女子ラグビー部が、準決勝で東京フェニックスを19−5で撃破。決勝では、女王アルカスを準決勝で破った追手門学院大に40−5で大勝し、初優勝を飾った。学生だけの単独チームの優勝も、外国人選手のいない国産チームの優勝も大会誕生から3年目、9大会目で初めて。今回はラ組女子特別版として、日体大女子の快挙をお届けする!!(取材&構成&写真・大友信彦) リオ五輪まで100日を切った5月中旬、五輪種目として初採用される女子7人制ラグビーに新しい風が吹いた。太陽生命ウィメンズセブンズシリーズ今季第2戦の秋田大会で、新たなチャンピオンが誕生したのだ。 「今回は大会前にけが人がたくさん出て、苦しい中で迎えたんです」と話すのは、抜群のゲームメークで日体大を優勝に導き、大会MVPを受賞したSO山本実(みのり、2年・東海大相模)だ。
4月の保土ケ谷大会で中軸を担った立山由香里(1年・横浜清陵総合)、鵜川志帆(1年・和光)、名倉ひなの(2年・神戸甲北)が相次いで負傷リタイア。さらに大会初戦では、新人ながらトライゲッター役を担うWTB堤ほの花(1年・佐賀工)が負傷離脱してしまったのだ。 日体大ラグビー部女子は部員30人。単独チームとしては国内最多だが、この秋田大会では関東合同チームに8人を拠出。欧州遠征中のサクラセブンズこと女子日本代表にも1人を送り出し、ギリギリの人数で臨んでいただけに「ちょっとまずい感じもあった」(山本)という。
だが、そんなチームを救ったのがルーキーの清水麻有(1年・東農大二)だった。昨年3月、高校2年生ながらサクラセブンズ(7人制女子日本代表)に選ばれた期待のランナーは、山本のパスを受けると、次々と相手ディフェンスを突破。2日間6試合でチーム最多の6トライをマークする活躍に、MVPの山本は「ポテンシャルの高さを発揮してくれた」と舌を巻き、古賀千尋HCも「あの爆発力は大きかった」とたたえた。 14年に始まった太陽生命シリーズはこれまで8大会が行われてきたが、うち7大会はアルカス熊谷が、残る1大会は東京フェニックスが優勝。アルカスは立正大女子ラグビー部を中心に、フェニックスもそもそもは日体大の卒業生を中心に誕生したが、現在は経験を積んだ社会人選手と外国人選手を積極的に登用して強化を進めてきた。それだけに、全員が学生、しかも全員が国産選手という日体大の優勝は画期的だ。
山本は「そのことは、たくさんの人に言っていただきました。けが人が出ても先輩たちが献身的なプレーで支えてくれたし、層の厚さが生きたと思う」と声を弾ませた。 太陽生命シリーズは4大会のポイントで年間優勝を争う。2大会を終えて、日体大は現在ポイント38で首位に立つ。過去2年間、頂点に君臨してきたアルカスから女王の座を奪い取るチャンスだ。そしてもう一つ。「まだリオもチャンスはあると思っていますから」と山本は言い切る。
8月に迫ったリオ五輪を戦うサクラセブンズの顔触れもまだ決定してはいない。山本は同じ2年生の桜井綾乃(高崎女子)や伊藤優希(筑紫)とともに昨年2月のアジア太平洋セブンズなどに出場。1年生の清水や堤、立山は今年の香港女子セブンズなどで日本選抜としてプレーした。合宿ではサクラセブンズのトップ選手とともに技を磨く。現在の大学生たちは4年後の東京五輪で中心世代として期待されるが、ラ組女子たちの本音は「4年も待ちたくない!!」なのだ。 秋田大会での初優勝をジャンピングボードにして、総合優勝もかっさらってしまえば、リオ切符だって夢じゃないかも…。 ◆ハードスケジュール
秋田大会を戦った日体大の選手のうち、SO山本とWTB堤は先発で、FW片岡、桜井、伊藤、CTB清水の4人はリザーブで、7日に香港で行われた女子アジア選手権(15人制)の香港戦を戦ってきてからの強行軍だった(ほかにFW南早紀が関東合同チームで出場)。 太陽生命シリーズの次戦・東京大会は6月4〜5日に東京・秩父宮ラグビー場で行われるが、その1週前、28日には15人制女子アジア選手権・日本−香港の日本ラウンドが行われる。こちらは来年アイルランドで行われる女子15人制ワールドカップのアジア予選前哨戦だ。 「できれば7人制も15人制も、両方で世界と勝負したいです」と山本は笑った。強行スケジュールをこなしながら、ラ組女子たちはまたたくましくなる! <山本実(やまもと・みのり)> 1996(平成8)年12月9日、神奈川県生まれの19歳。168センチ、66キロ。ポジションはSO。小学3年時に田園ラグビースクールで競技を始める。東海大相模高(神奈川県)3年で7人制日本選抜に選出。日体大1年で15人制女子日本代表(サクラフィフティーン)入り。父・竜生さんは明大時代にプロップ、フッカーで活躍した後、日本IBMの監督、田園RSのコーチなどを歴任した。弟・龍亮は桐蔭学園高(同)3年でナンバー8。 ◇ 首都圏のアスリートを全力で応援する「首都スポ」面がトーチュウに誕生。連日、最終面で展開中 PR情報
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