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 メキシコ政府は20日、「麻薬王」と呼ばれるメキシコの麻薬密売組織の最高幹部の身柄を、米国に引き渡すと発表した。「世界で最も危険な男」などと呼ばれ、米国などへの麻薬密売や殺人などでメキシコで収監されていたが2度脱獄。今年1月に再び拘束された。

 身柄が引き渡されるのは、麻薬組織シナロア・カルテルのホアキン・グスマン受刑者。エル・チャポの通称で呼ばれる。昨年7月、メキシコの刑務所から、1・5キロのトンネルを掘って脱獄したが、米俳優のショーン・ペン氏のインタビューがきっかけで潜伏先を突き止められ、米当局とメキシコ海兵隊の共同作戦で1月、再び捕まった。

 グスマン受刑者は、米国で犯した麻薬密輸や殺人、マネーロンダリングなどの罪に問われる。米国が以前から身柄引き渡しを求めており、メキシコ政府は、死刑を適用しないことを条件に引き渡しを決めた。(ロサンゼルス=平山亜理)