建築家・隈研吾氏、新国立“聖火台”問題の「真相」語る
2016年5月21日15時18分 スポーツ報知
20年東京五輪の新国立競技場をデザインした建築家の隈研吾氏(61)が、聖火台問題について「職務を越えたこと」と説明した。
隈氏は21日放送のTBS系「サワコの朝」(土曜・前7時30分)に出演。MCの阿川佐和子(62)に聖火台問題の「真相」を語った。
隈氏によれば、聖火台がデザインに盛り込まれていなかったのは、コンペで提示された「要求水準書」という条件の中に、聖火台について一切触れられていなかったため。「触れていないものについて出すのはルール違反。言ってはいけない」とコンペでの基本的なルールを説明した。
「(聖火台は)当然いるだろう。どこがいいかな、と(スタッフの)みんなで議論した」と隈氏は明かした。しかし「要求水準書に載っていないということは、『後から決めていきますよ』と暗に言っていること」。聖火台は開閉会式の演出に大きく関わるため、「演出家に関係なく(聖火台は)絶対にここだ、というのは職務を越えている。昔ながらの傲慢な建築家のやり方。そういうのはやりたくなかった」と語った。
「オープンの1年半くらい前に演出者が決まって、その段階で決めていきますよ、と早い段階で誰かがアナウンスしてくれていればこんな風に騒がれなかったでしょう」と騒動を分析した隈氏。問題が表面化すると、事務所に一般人から聖火台の案のイラストなどが届くようになったといい「競技場全体で巨大な火が燃えていたり、みんなの発想の豊かさにビックリする。いかに関心があるかということを改めて思い知りましたね」と笑顔で語った。
隈氏はフィールド中央で点火され、後で競技場外に移された12年ロンドン五輪方式になると予想。「演出の方針とか方向がゆくゆく決まっていくだろうから、そういう人達と考えていければ」と語っていた。