「自家製のヨーグルト」っていうと「カスピ海ヨーグルト」がイメージされがちだが、実はカスピ海じゃないプレーンヨーグルトでも簡単に増殖させられる。しかも、ちゃんと美味しいヨーグルトができるのだ。これが意外と知られてない。
今回は、①ヨーグルトの超簡単な作り方 と補足までに②ヨーグルトの効果の2つを紹介。
ヨーグルトの超簡単な作り方
さっそくヨーグルトの作り方を紹介。
準備するもの(3つだけ)
(パック牛乳をベストな温度に保つ)
②パック牛乳(成分無調整のもの)
(ほかのヨーグルトでも可。これがタネ菌となる)
カスピ海ヨーグルトの菌は25度のわりと常温に近いところで菌が増殖する。だから、これまで自家製ヨーグルトといえばカスピ海ヨーグルトだった。一方で、通常のブルガリアヨーグルトなどの菌がよく増えるためには、37~42度の温度がベストだ。①のトプランヨーグルトファクトリーは、温度を自動に長時間調整してくれるため、カスピ海じゃないプレーンヨーグルトの菌も活発に働かせ、牛乳→ヨーグルトにするができるのだ。
作り方の手順(準備時間3分)
- パック牛乳に、タネ菌となるR-1ヨーグルト・ドリンクタイプを流し込む
- パック牛乳をダブルクリップとかでとめて、よく振る
- パックごとヨーグルトファクトリーにつっこむ
- ヨーグルトファクトリーの電源を入れて、プレーンを選択
- 8時間くらい放置→完成
衛生面を考えて、8時間タイマーで計っておき、放置後には冷蔵庫に入れておいたほうが良いだろう。そうすると市販のヨーグルトと変わらないクオリティーのヨーグルトができあがる。これにジャムやハチミチを入れて食べる。
自家製がどれだけお得か
毎日ヨーグルトを食べることを習慣にしている人は、間違いなく自家製でつくったほうが安上がりだ。単純計算をしてみよう。R-1ヨーグルトは1個(0.1kg)あたり150円。これを1年間毎日続ければ、約55,000円かかる。
次に先ほど紹介したように自家製でつくれば
・牛乳200円:1L≒1kg
・R-1ヨーグルトドリンクタイプ 150円:0.1kg
つまり、合計350円で1.1kgのR-1ヨーグルトを作ることができる。市販のパックと同じ量を毎日食べるとすると、1年間で12,000円弱で済む。毎日ヨーグルトを食べる人が買わずにヨーグルトを作るようにすれば、年間4万円以上お得になるのだ。
R-1ヨーグルトを毎日食べるメリット
次にヨーグルトを毎日食べると何がいいかということを紹介。
1. 満足感や幸福感を感じさせるセロトニンの分泌量を増やす
腸内環境と、満足感や幸福感は密接に関連している。なぜなら精神的な安定作用のあるセロトニンのほとんどは腸内で作られており、その分泌量は腸内環境に左右されるからだ。セロトニンが不足すると無気力感や気分の落ち込みなどの症状が出る。ヨーグルトに含まれる乳酸菌は、腸内を酸性に保ち、善玉菌の増殖を助け、酸に弱い悪玉菌の増殖を抑える(=腸内環境を整える)。それによりセロトニンは分泌されやすくなる。もちろん、適度な運動をすること、ストレスを避けること、暴飲暴食を避けることも大事だが、なかなか実行することは難しい場合もあるためヨーグルトは有効。
2. 免疫力を高める
R-1ヨーグルトに含まれる乳酸菌は、EPSと呼ばれる多糖体をたくさん生成する。このEPSがナチュラルキラー細胞の働きを活発化させ、免疫力を高める。インフルエンザの予防効果もあるという結果論的なデータもあるようだが、そこまで免疫力を高めるのかどうかは不明。
3. 花粉症・アレルギーに効果あり
L-55という乳酸菌を含むヨーグルトの飲用がスギ花粉症患者の症状緩和に有意に寄与したというデータがある。また、アトピー性皮膚炎の症状の緩和を示唆する研究結果もある。
CiNii 論文 - Lactobacillus acidophilus L-55含有ヨーグルト飲用のスギ花粉症に対する臨床効果の検討
アトピー性皮膚炎モデルマウスにおけるLactobacillus plantarum FG4-4 のアレルギー抑制作用
で、このL-55が含まれているのが、オハヨーのヨーグルト。だいたいパッケージに「L-55」と大きく謳われているから、スーパーやコンビニでもすぐ見つかる。
その他プロバイオティクスの機能
プロバイオティクスとは、乳酸菌やビフィズス菌のように、腸内フローラのバランスを改善し、カラダによい作用をもたらす生きた細菌のこと。ヨーグルトには多くのプロバイオティクスが含まれている。プロバイオティクスの機能はプロバイオティクスとその臨床的展望という論文にとてもよくまとまっているがその一部を紹介。
科学的に証明されている健康表示
- ロタウイルス下痢症改善作用
- 抗生物質誘導下痢症改善作用
- 乳糖不耐症軽減作用
- 乳児食餌性アレルギー症軽減作用
- 整腸作用
ヒト試験が求められる試験研究
- 発がんリスク低減作用
- 免疫能調節作用
- アレルギーの低減作用
- 血圧降下作用
- 胃内ピロリ菌抑制作用
- 腸内環境改善作用
- 過敏性大腸炎,Crohn病および潰瘍性大腸炎の軽減作用
- Clostridium difficile下痢症の低減作用
- 食餌性コレステロールの低減作用
- 乳児および児童の呼吸器感染症の抑制作用
- 口腔内感染症の低減作用
上にあげたものの中でもヨーグルトから摂取したプロバイオティクスが腸まで届き、各作用を起こすかどうかは解明されていないものも多そうだ。なんにせよ、ヨーグルトを毎日食べることが精神的にも身体的にもポジティブな影響を与えることは間違いない。1番いいのは自分で試験的に数週間〜数ヶ月毎日食べるようにしてみること。
ちなみにぼくはヨーグルトを毎朝食べる生活を半年くらい続けているんだけれど、すこぶるお腹の調子が良くなったし、風邪もひきづらくなった気がするよ。