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【ソウルから 倭人の眼】
韓国はオバマ米大統領の広島訪問になぜ黙っていられないのか
ましてや、「我田引水式の解釈や過度な意味付け」など日本メディアの端くれとして、したくもない。ソウル駐在の日本人記者仲間も、韓国メディアのこうした主張を、勝手な想像や思い込みとみなしている。一言で言えば“お笑い”“噴飯もの”なのだ。
広島での主人公は韓国なのか
そもそも、米国政府やホワイトハウスは、オバマ大統領が広島では謝罪しないことを表明、示唆している。原爆の犠牲者の追悼対象について米政府から韓国政府に対し、「韓国人の原爆被害者を含む、全犠牲者を哀悼するとの説明があった」(韓国外務省報道官が5月12日に説明)という。
それでも韓国メディアは収まらない。中央日報(5月16日付)は論説委員の大型コラムで、日本を「ドイツと違って過去の歴史を反省しない厚かましい国」と断定。「日本は米大統領までも広島に呼び『被害者』ショーをするに至った。このままでは、日本は真珠湾空襲も米国が誘導したものであり、太平洋戦争の責任を自分たちだけに問うのは不当だと強弁することになるやもしれない」と主張した。
「おいおい、待てよ」と言いたいところだが、論説委員の執拗(しつよう)な主張はまだ続く。「米国主導で樹立された戦後秩序を日本がひっくり返す」と懸念し、「米国黙認のなか、日本が過去の歴史くつがえしに成功すれば、韓国に対してより一層、厚顔無恥な態度を見せるに違いない」とまで“分析”する。
さらに、「安倍首相による靖国神社参拝や太平洋戦争の責任回避のような動きは米国の国益をまともに侵害するということを米国に分からせ、米国が日本の妄動に直接ブレーキをかけるように導かなければいけない」そうだ。