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癒されたい味のりのブログ

あなたに【笑える一時】と【真面目に考える時間】を提供します 。

【実話】ファーストキスは涙の味~ほろ苦い青春物語~【エピソード】

日常

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ファーストキスは何歳の時しましたか?

僕は小学生の時です。今日はその時のお話をします。

僕は小学生の時にお互い告白なるものをして無事に恋人同士に。まあ、恋人って言葉を当時は良く分かっては居なかったのですが。
その時の話はこちら↓
iyasaretaiazinori.hatenablog.com

恋人というものを良く理解していなかった僕は、特に何をするもなく、ただただ普通の日々を送っていた。普通の日常に彼女が居る。何とも幸せな日々。

ただそんな日は長く続かなかった。

ある日、彼女は僕に今まで黙っていた事実を告げる。それは彼女が遠くへ引越しをしてしまう事。引越しの理由は親の離婚。当時、僕たち小学生で携帯電話も持っている人は居らず、「引越し=お別れ」という認識だった。

あの日の放課後に突然好きな人の話をしたのは遠くへ引っ越してしまう事を知ったから。僕が言わなくても自分から言うつもりだったらしく、居なくなる前に気持ちだけでも伝えておきたいと思ったからと。

当然、僕は納得行かなかったため渋る。

僕「で、でも!ほら!手紙とか出すし、それにもうずっと逢えないってわけじゃないんだから」
彼女「味のりは」
僕「・・・」
彼女「味のりはモテるから、きっとすぐに好きな人できるよ」
僕「お、俺はお前が好きなんだよ。他の奴なんてどーでもいい」
彼女「距離が離れたら心も離れちゃうよ。味のりは子供だからまだ分からないかも知れないけど」
僕「子供ってなんだよ。同じ歳じゃねーかよ。俺はずっとお前の事が好きだ!」
彼女「ありがとう味のり。でももう終わりにしよう・・・ね?」

僕が何を言っても彼女は関係を続ける事を了承してくれず、納得の行かないまま僕達は別れる事になった。彼女は次の日曜日にこの町を離れる予定だったため、僕はどうしてもと無理を言い、土曜日に遊ぶ約束を取り付けた。

そう、彼女と遊ぶ最後の日だ。

なるべくいつもどおりにと思っていたのだが、中々難しかった。まあ、小学生なりには頑張ったと思う。日が暮れそろそろ帰らないといけない時刻になった時、彼女が僕に言う。

彼女「ごめんね。好きって言わなければ良かったね。辛い思いさせてごめん」
僕「そんな事ねーよ。俺はお前が居てくれてよかった。お前に出会えて幸せだったぞ」

彼女は突然泣きだし、そして泣き続けた。僕も凄く悲しくて泣いた。

しばらく泣いた後、僕達は二人手を繋いで家へと帰るべく道を歩く。

二人の家への分かれ道で僕と彼女は立ち止まる。

彼女「明日は見送り来なくて良いから。また泣いちゃいそうだし」
僕「そっか・・・わかった。元気・・・でな」
彼女「うん」
僕「・・・」

泣きそうだった。さっき泣いたばかりだったのに、涙は枯れないのだろうか。でも彼女が決めた事だしまだ納得は行ってないけれど、向こうで好きな人が出来るかも知れない。逢えないのに関係を続けるのは彼女を足を引っ張る事になる。だから僕はもうわがままは言わない事にした。

僕達はそれぞれの家へと帰るべく歩き出す。そして僕達の運命もそれぞれ違う道を進み始めたのだ。
歩き出してすぐに彼女が僕の名前を呼んだ。

彼女「味のり!」

振り返ると彼女が目の前に接近していた。驚く暇もなく彼女は僕にキスをする。

彼女「私のファーストキスあげる。今までありがとう。それとごめんね。大好きだよ」
僕「ああ、俺も大好きだ」

涙が止まらなかった。家へと帰る足取りが重く、彼女に会いに行きたくなった。でも我慢した。

僕は彼女に好きな人が出来たら僕の存在が足を引っ張ると思った。もしかしたら彼女もまたそう思ったのかも知れない。僕は他のクラスメイトにも告白されていたのを彼女は知っている。もちろん全て断わったし、僕が選ぶのはいつだって彼女だった。でもきっとやさしい彼女の事だ。僕が他の人と付き合えるように身を引いたのかも知れない。今となってはもう分からない事ではあるが。

そして、泣きながら帰る途中で当時小学生だった僕は思ったのだ。

















ああ・・・初めてのキスの味はしょっぱいなぁ・・・と。