アンニュイな金曜日。ラジオからQUEENの名曲「ボヘミアンラプソディ」が流れてきた。ママ~ウ~ウ~ウ~♪と口ずさみながらネットサーフィーンをしていると、あることに気付いた。
「ワイ、今週仕事してないわ。」
思えば1月末に、はてなにやってきて楽しくブログを綴ってきたが、楽しくなって3月も毎日のように更新して、本業の営業をサボっていた。
4月に休養してちょこちょこ仕事をしていたのだが、ブログを書く方が楽しくなってしまい営業していなかったのが完全にまずかった。
そして、5月に入り早くも旱魃(かんばつ)が訪れた。ヤヴァイ、来月の家賃が払えん!どうしようカーチャン!
10年ぐらい前の今頃は、東京駅を降りて颯爽と丸の内の豪華なビルに吸い込まれていったのであるが、何をどう間違えてこんなことになってしまったのだろうか?
ボロアパートでネコとワイフが昼寝しているのを横目に、来月の家賃の心配をする中年には、フレディの歌声がやけに染みる。
ワタクシもサボっているので人のことを言えないが、ワイフはネコと同じくらい寝ている気がするが、気のせいだろうか?
悩んでいても仕方ないし、突然、仕事が降ってくることもないので、名著「ビジョナリーカンパニー」に救いを求めてみた。
ストックデールの逆説
人生は公平ではない。ときには有利な状況に恵まれ、ときには不利な状況に追い込まれる。人はだれでも、人生のどこかで失望を味わい、絶望的な事態にぶつかる。
納得できる「理由」もなく、責任を追求できる相手もいない挫折を味わう。病気になることもある。大怪我をすることもある。事故にあうこともある。愛する人に先立たれることもある。<中略>
違いをもたらすのは、困難にぶつかるかぶつからないかではない。人生のなかでかならずぶつかる困難にどう対応するかだ。<中略>
厳しい状況にぶつかったとき、最後にはかならず勝つという確信を失ってはならず、同時に、自分がおかれている現実のなかでもっとも厳しい事実を直視しなければならない。
「ビジョナリーカンパニー②」137ページより引用
ベトナム戦争の時に捕虜となり、8年間拷問を受け続けて生還したストックデール将軍から名付けられた教訓である。
人生哲学のような話であるが、要するにこのような信念を持って企業の経営者は、偉大な企業を作り上げたというワケだ。
ワタクシには金がなく、嫁が家事をしないという厳しい現実が突きつけられているワケであるが、もちろん、まだ人生をあきらめたワケではない。最後にはワイフに必ず勝つという強い確信を持っている。何に勝つかは知らないけど。
本にはストックデール将軍に、コリンズ先生が捕虜収容所で「耐えられなかったのはどういう人ですか?」と聞いた話が書いてある。
将軍の答えは「楽観主義者」。つまり、来週には出られるだろう、クリスマスまでには出られるだろう!と楽観的に考えていると出られなかった時の失望が重なって死んでいくというワケだ。
楽観的なワタクシには、この話はグッと胸に響いた。ワイフはその内、家事をするようになるだろう、浪費グセも治るだろうと根拠なく考えていたのだが、もうその考えは捨てた。
最も厳しい現実、「ワイフはこのまま一生家事をしないかも知れない」ということを想定して受け入れる必要があるのだ。体重も2倍か3倍になるかも知れない。現状では、結婚してから1.5倍くらいに成長した。ということは5倍くらいになることも。。。
厳しい。厳し過ぎる話であるが、ワタクシはこの現実を直視しなければならない。しかし、同時になんとかこの現実を変えるという強い確信を持たなければならない。
当面の厳しい現実は、来月の家賃、そして健康保険料、国民年金をどうやって支払うか?ワタクシは必死に考えを巡らしている。
長年の捕虜生活ならぬ、引きこもり生活を生き抜いた能力で、ワイフのヘソクリの場所はわかっているし、請求書を送ったのに入金せず逃げている取引先のクソ社長の立ち回り先も調査済みである。
まだクリスマスまで時間もある。いつまで捕虜生活のような厳しい状況が続くとも知れないが、なんとかやっていくつもりだ。看守のワイフに賄賂を渡して、この監獄から脱出してみせる。ストックデール将軍、ワイ、がんばります!
ちなみにボヘミアンラプソティの最後はこんな歌詞で締めくくられる。
「Nothing really matters to me.Anyway the wind blows...」
~大したことはないさ、どのみち風は吹くんだから~