『読売』が断定報道に踏み切るとき
安倍官邸の情報管理は徹底している。とりわけ、安倍晋三首相と最側近の今井尚哉首相秘書官(政務)の2人のガードが固い。
具体的には、6月22日公示・7月10日投開票の参院選と同じ日に衆院選をぶつける衆参同日選に踏み切るのかどうか、の情報管理である。
『西日本新聞』(5月18日付朝刊)が1面トップで「首相、同日選見送りへ」と報じれば、翌日は『毎日新聞』(19日付朝刊)がやはり1面トップで「首相、同日選視野」と打った。真逆の読みである。
これまでの新聞各紙は、消費増税の先送り見通しでは一致しているが、衆参同日選の有無についての見立てにはバラツキがある。それでも、参院選単独説の方が上回っていた。
筆者もこれまで「衆参同日選について否定的だが、その可能性は排除できない」という、ややズルイ書き方をしてきた。政治記者泣かせの安倍首相の胸中を探ることは、それほど難しいということなのだ。
こうした中で、筆者が注目してきたのは『読売新聞』である。同紙と首相官邸との距離、同新聞グループ本社会長・主筆の渡邉恒雄氏が衆参同日選を強く推しているとされることなどから、いつ『読売』が断定報道に踏み切るのかと見守っていたのだ。
「首相、衆参同日選決断」、「首相、衆参同日選断念」のいずれであれ、『読売』が断定報道すれば、それが正しい見通しである。