ファウルボールで失明 2審は球団のみに賠償命じる

ファウルボールで失明 2審は球団のみに賠償命じる
6年前、札幌ドームでプロ野球・日本ハムの試合を観戦中にファウルボールが当たって失明した女性が訴えた裁判で、札幌高等裁判所は、球団やドームなど3者に賠償を命じた1審の判決を変更して、球団に限って責任を認め、3300万円余りの賠償を命じました。
札幌市の30代の女性は、平成22年8月、札幌ドームでプロ野球の試合を観戦中、ファウルボールが当たって右目を失明する大けがをし、試合を主催した北海道日本ハムファイターズや球場を管理する札幌ドーム、それに建物を所有する札幌市に賠償を求めました。
1審の札幌地方裁判所は、去年3月、女性の訴えを認めて球団など3者におよそ4200万円の賠償を命じました。
20日の2審の判決で、札幌高等裁判所の佐藤道明裁判長は「女性は、球団が企画した子どもたちを招待するイベントに保護者として参加しており、そうした観客の中には、ファウルボールの危険を認識していない人もいたのに、球団は具体的に危険性を告知していたとは言えない」と指摘して球団の責任を認め、3300万円余りの賠償を命じました。
一方、札幌ドームと札幌市については、「球場のフェンスの高さは、ほかの球場と比べて特に低いわけではなく、通常備えるべき安全性を欠いていたとは言えない」として、責任はないとする判断を示しました。