台湾で高まる反中ムード、中国と距離を置く蔡英文台湾新総統

 蔡新総統は就任演説で、中台が「一つの中国」を認めた1992年の共通認識(92共識)を受け入れる発言を行わない意向だ。国民党政権下の総統は就任式で必ず「92共識」に言及してきた。台湾の親中メディア、中国時報は社説で、「92共識を受け入れないことは国土を分裂させ、中国人のアイデンティティーを拒否するものだ」と批判した。

 就任式でも中国を刺激する要素が少なくない。台湾の民主化運動の過程を映像と歌で表現する「台湾民主行進曲」などは、中国とは異なる台湾のアイデンティティーを主張するための企画と受け止められている。就任式の最後には出席者が台湾の独立を象徴する曲「美麗島」を合唱する。この曲は1970-80年代の台湾の権威主義時代には禁止されていた歌で、馬英九政権下でも公式には歌われなかった。

 中国は台湾に対する経済制裁を強化し、蔡新総統を従わせようとしている。台湾紙聯合報は「台湾の農畜産業界が蔡新総統の就任式を前に直撃を受けた」と報じた。台湾は毎年、スッポンの卵1億5000万個を中国に輸出しているが、今年3月から中国が輸入価格を従来の7人民元(約118円)から2.8人民元へと引き下げた。また、代金決済時期を納品時から2-3週間後へと遅らせた。

 台湾南部の高雄市ではクロソイの対中輸出が今年に入り、昨年の半分にまで減少している。台湾産の農畜産品に対する中国税関の検疫手続きも複雑になり、パイナップルなどの輸出に影響が出ているという。中台間の今年1-2月の貿易総額は前年同期比で13%以上減少した。台湾紙・自由時報などによると、中国人による台湾観光も今年下半期からは中国政府の制裁で約30%減少する見通しだという。青果業界幹部は「就任式後、中国の制裁はさらに強まるはずだ。蔡英文政権は両岸(中台)関係を破壊してはならない」と語った。

イ・ボルチャン記者
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