プロとして音楽の仕事をしたいなら専門学校には入るべきではない
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音楽でメシ
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今回は音楽の専門学校のお話。
僕が専門学校を卒業したのは十数年前なんですが、ちょくちょく話題として見かけるし、基本的なことは今も変わってないようなので、これから入ろうかなと考えている方に向けて色々書いていこうと思います。
高校卒業後、働きながら音楽の勉強をしていたんですが、当時はネットも発達しておらず独学での学習に限界を感じ、また、東京に出て音楽活動をする足がかりとして専門学校に入学しました。
僕は授業はすべて出て、さらに、特別に自分のカリキュラム以外の授業も受けさせてもらっていて、先生方にプライベートでも色々教わったりと、その専門学校に通った生徒のなかで最も恩恵を享受できた人間の一人だと思っています。
そして、それ以外はほぼ独学でプロになりました。
これから書くことは、そういう人間の話として聞いていただけたらなと。
内容、周りのレベルが低い
入学した直後、和声の教科書を渡された時に唖然としました。その内容は2年間でやるもの全部、すべて知っているものでした。
なぜレベルが低くなるのかというと、最もレベルが低い人に内容を合わせるから。
そして、専門学校は誰でも入れるので、全体的に音楽的なレベルは低い人ばかり。
今まで音楽をあまりやってこなかった人や、そこまで意欲がない人も多い。
音楽をやっている人が周りにいれば刺激になると思いがちですが、やる気がない人ばかりなので精神的にもそちらに引っ張られるし、音楽的なレベルも低いので自分の能力も上がりづらい。
自分を高いレベルにするには、より高いレベル、できればプロの中に飛び込んでいくべき。
仕事のしかたを学ぶ場所ではない
そもそも音楽の専門学校は、仕事のしかたを学ぶ場所、職業訓練をする場所ではない、ということ。
仕事のやり方、取り方はほとんど教えてもらえません。僕の在籍していた学校はオーディション、コンペの話すらなかった。
プロになるのなら、どういう形でもいいから現場に入って、実際のやり方を吸収するほうが早い。
スタジオで実際にレコーディングするという授業もありましたが、実際の現場の感覚とは違うし、適当な曲だと気持ちも入らない。
前提知識はネットで調べて、自分でバンドでも組んでレコーディングしたほうがよっぽどいいです。
同じお金を使っても、授業だと「お客様」になってしまい、受け身になりますが、自分のプロジェクトだと積極的に関われるので身になります。
今なら、同人活動をしてファイルや人とのやり取りを学んだあと、ランサーズなどのクラウドソーシングで仕事をしたほうが手っ取り早く仕事のしかたを覚えることができる。
モラトリアム期間としての専門学校について
仕事もまだがっつりとしたくないし、とりあえず学校に入って時間稼ぎをしようかな、という人もいるかと思いますが、モラトリアム期間としてなら、大学に行きながら制作したほうがつぶしがきくし、音楽とは違う刺激が入るのでよっぽどいい。
他にも、仕事がある分野、これから伸びる分野の専門学校もいいと思う。
オーケストレーションなど、本当に音楽の専門的な事を学ぶのであれば音大のほうがよいです。専門学校は何にしろ中途半端。
また、バイトをしながら専門学校に通うくらいなら、実家でスネをかじって制作に専念したほうが多くの時間を取れるので技術的にも上達します。
専門学校を選ぶなら講師で選べ
それでも専門学校に行くのなら、講師で学校を選ぶことが一番重要なポイントです。
自分が憧れているミュージシャンが教えている学校がベスト。
そして、講師と仲良くなること。
僕は自宅スタジオでのレコーディングや、商業スタジオでのストリングスレコーディングの現場を見せて頂いたり、ライブの現場に連れていってもらったりと、実際これが一番勉強になりました。
仲良くなる、と言っても単にベタベタするのではなく、音楽に対して誠実に取り組んでいる姿勢を認めてもらえないとダメです。
僕が行った所は、基本のカリキュラムがガバガバだったため講師依存になってしまい、内容の質に大きな差がありました。講師で選べばそのリスクも回避できます。
憧れている人がいるのであれば、専門学校に行く前に直接メールでもして弟子にしてもらったほうが早いかもしれません。
専門学校に入ったら
わからないことは講師に聞きまくる。教科書や授業では、下のレベルに合わせたことしかやらないので、どんどん講師に質問をしていきましょう。講師の方も仕事なので教えてくれるはず。仕事の取り方も先生に直接聞くといいかも。
また、仕事として音楽をやるつもりなら、少なくともクラスのなかでトップの技術をもつ人間であることは当たり前。もはや前提条件です。
課題でいっぱいいっぱいになっているようでは全くダメです。課題なんてさっさと終わらせて自分自身の曲を作る時間を最大限にすべき。
ちなみに、僕の同期にBABYMETALでベースを弾いているBOHさん(@BassistBOH )がいますが、当時からすでにめちゃめちゃうまかった。
プロになれるくらいの人は入った時点ですでにうまく、ほとんど専門学校関係なくプロになります。僕も、授業以外でも積極的に曲を作っていて、少なくとも同期の中では一番作っていたと思う。
他の方の声
もしプロを目指してるなら学校(特に専門)に行くのは選択ミスだと思う。学校は音楽を教えてくれるのであって、仕事の仕方を教えてくれるわけじゃないのでご注意 RT @Boushi_yokomiti: 作曲の学校とか行った方がもっと良い曲が書けるのかな。 お金増やしてるけどあんまない。。
— 仰木日向 (@ogihinata) 2016年5月20日
@Kohrogi34 今年専門卒業したものです。おそらくこおろぎさんが受けた印象はそのまま残っているかと思います。確かに初めは鍵盤のどこがドの位置かとかから始まりましたし、それを知らない生徒も大勢いたことも事実です。行く宛がなくとりあえず入学という生徒も少なからず居たような。。。
— おのさめゆーき M3 出展 (@OcarinaYonosame) 2016年5月20日
ファイルとかデータの作り方で「仕事ではこうなんだよ」ってのはたまにあるけど、そこまでに行き着く方法は全くだったな〜と思い出してる。 https://t.co/qavP0VeAS7
— Kyocmp (@Kyocmp1) 2016年5月20日
僕のところも基本しか教えてもらえなかった。専門学校に行って元を取るには先生たちを独占して細かいところまでガツガツ教わりにいくしかない。それができないなら行くメリットないきがする https://t.co/P4NlR3rzbL
— GANO (@Past_Orange) 2016年5月20日
ホントこれです。専門学校は先生との出会いの場として考えた方がいいのかも。専門学校や個人レッスンに行けば仕事もらえると思ってるならやめた方がいい。 https://t.co/jETV2s4pGy
— GANO (@Past_Orange) 2016年5月20日
@Kohrogi34 私も音楽系の学校に通っていましたが、音楽の仕事を取る方法は教わりませんでした。例外は講師の方に気に入ってもらえた生徒は、その先生のサポートやライブについていかせてもらえて、そこからコネでお仕事を回してもらえてました。あとはみんなオーディションです。
— しゅてん (@SyutenNyanko) 2016年5月20日
@Kohrogi34 あくまでも専門学校は知識だけで、それを活かせるかは自分の行動次第だと思います。
専門時代のサボりが仇になった時期がありました←— IAさあああああん (@IA_Sounds) 2016年5月20日
@Kohrogi34 ぜひぜひ…2年なのでまず仕事を取れるレベルに達してる生徒が一握りでそのくらい意欲のある人は自分から動いてるイメージすね…
— Tai Tomisawa (@26rt) 2016年5月20日
私も専門学校で習った知識を今現在の仕事に活かせている「幸運な一人」だと思うのですが、それもぶっちゃけ、大学で経営学を学んでいた過去があって、それと結びつけることでビジネスモデル化できたから、というのはありますよねぇ。 https://t.co/PxROwSNk6G
— キセノンP@イベントラッシュ完遂 (@XenonP_XM) 2016年5月20日
@Kohrogi34 ベースの専門いった友達は今元気にピザの配達してます!彼女もいます!
— かおP (@kaoP_spla) 2016年5月20日
おわりに
というわけで、音楽で仕事をしたい、ということであれば専門学校はおすすめできない選択肢なのかなと思います。
現在は当時よりもネットや本での知識が大量にありますので、より行く意味が薄れているかなと。
古い知識で語っている部分もありますので、関係者の方で「こういうメリットがあるよ」ということがあれば教えていただけると嬉しいです。
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