「江原道横城郡にマグニチュード6.5の地震(第1報)」
18日午後5時42分ごろ、肝を冷やすようなニュースが韓国国民の携帯電話に流された。「江原道横城郡北東1.2キロメートルの地域でマグニチュード6.5規模の地震が発生した」という気象庁地震通報を受けた各報道機関が緊急ニュースを送信したのだ。そして、すぐに「地震発生地域に土砂崩れが発生したり、建物が崩壊したりするなどの二次的な被害が懸念される。住民は安全な場所に避難してください」という気象庁の通知文も流された。大型災害が発生したというニュースに、国民は大混乱に陥ったが、これは気象庁の誤報による、とんでもない出来事だった。
■相次ぐ気象庁の誤報
マグニチュード6.5の地震と言えば、1981年に平安北道義州で観測された韓半島(朝鮮半島)過去最大規模の地震(マグニチュード5.3)をはるかに上回るもので、先月49人が死亡し、7780億円の財産被害を出した熊本地震と同レベルの強い地震だ。このため、地震発生のニュースを見た国民は大混乱した。気象庁が地震発生場所だと名指しした横城郡、国家レベルの災害を担当する国民安全処(省庁の一つ)、気象庁などには事実確認や情報を求める電話が殺到、ソーシャル・ネットワーキング・サービス(SNS)には「横城で暮らす兄が電話に出ないので心配だ」などの書き込みもあった。
この衝撃的なニュースは、20分たってやっと訂正された。気象庁は同日午後6時ごろ、「地震発生は事実ではない。混乱を招き深くおわびする」と発表した。気象庁関係者は「19日午後2時に予定されていた気象庁の『地震・津波対応訓練』に使われる仮想の速報文が間違って流された。本来は18日午後5時15分ごろ、エクアドルで発生したマグニチュード6.7の地震速報を送信するはずだったが、スタッフがコンピューターに保存されていた19日の訓練のための速報文を間違って送信してしまった」と説明した。この間違った速報は報道機関や警察庁などの公共機関76カ所に送られた。