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「保護者会退会で娘が疎外」父、賠償求め提訴

 堺市内にある私立の中高一貫校に娘を通わせている父親(41)が、保護者会を退会したために長女(16)が中学の卒業式で一人だけコサージュをもらえず、精神的苦痛を受けたとして、保護者会と同校事務長に計2万円の損害賠償を求める訴えを堺簡裁に起こした。父親は「保護者会に入るかどうかは個人の自由なのに、学校行事で子供が疎外されるのは納得できない」と話している。

    卒業式でコサージュもらえず

     20日にあった第1回口頭弁論で、保護者会と事務長側はいずれも争う姿勢を示した。

     訴状などによると、父親は保護者会(会員約1300人)の運営方針に疑問を抱き、2014年3月に退会した。今年3月の卒業式で、各生徒が胸に付けるコサージュを保護者会が用意するのを知り、実費負担を申し出たが認められなかった。

     父親らは仕方なく、学校側から花の種類を聞くなどして、よく似たコサージュを用意。長女はそれを付けて卒業式に臨んだ。同じ理由で、退場時に担任教員が各生徒に渡すバラの花も自分で調達したといい、父親は「人格権を侵害された」と主張している。

     毎日新聞の取材に、保護者会の会長は「会の活動に協力しないのに、賛同するものだけ実費負担すると言われても受け入れ難い」と話した。事務長は「私は出納を手伝っているだけ。学校は保護者会の活動内容を最終的に決定する立場にない」としている。

     ほかにも保護者会はマラソン大会で生徒にシュークリームを差し入れたり、中学校の特別給食を用意したりしているが、父親によると「シュークリームは持参し、特別給食の日は早退せざるを得なかった」という。

     文部科学省は「保護者会に対する監督権限はないが、子供たちに不平等が生まれるのは好ましくない」としている。【椋田佳代】

    学校側が対応を

     PTAに詳しい文化学園大の加藤薫教授(日本語・日本文化論)の話 学校行事で差別があってはならない。別団体が物品を提供する場合でも、学校側は全ての生徒が受け取る前提で対応すべきだ。

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