女の身柄引き渡し決定 中国・最高裁
大阪市西成区の准看護師、岡田里香さん(当時29歳)が遺体で見つかった事件で、死体遺棄などの疑いが持たれ、中国で身柄を拘束されている元同級生の日系ブラジル人の女(31)について、中国の最高裁に当たる「最高人民法院」が女の身柄を日本に引き渡す決定をしたことが分かった。外交筋が20日、明らかにした。この決定を受け、中国政府が今後身柄を引き渡すかどうか最終的な判断をする。
岡田さんは2014年3月に行方不明となり、同5月21日、女の自宅に近い東京都八王子市のトランクルームで遺体が見つかった。女は同3日に羽田空港から上海に渡航しており、同27日に上海にある日本領事館に出頭した。その後、不法入国の疑いで中国公安当局に引き渡された。
大阪府警は女に対し、岡田さんの死体遺棄▽岡田さんのクレジットカードを使用した詐欺▽岡田さん名義のパスポートを不正に取得した旅券法違反−−の各容疑で逮捕状を取り、身柄の引き渡しを中国に求めていた。
日中間では犯罪人引き渡し条約を結んでいない。女はこれまで最高人民法院や上海の高級人民法院が審理していた。今後、身柄を引き渡すかどうかについて中国政府が最終判断する。