2016-05-19
「安保賛成=沖縄への基地押し付け賛成」ってことなんだけどね
ひとさまのtweetから…
圧倒的多数の日本人にとり、基地問題は「人ごと」だからだ。日本人の86%が日米安保の維持・強化に賛成している。割合は年々高まる一方だ。県外移設が具体化して初めて国民全体が安保の負の側面を直視することになろう。
日米安保の維持・強化に賛成する日本人の割合が年々増加してる…なんてことを聞くと
そら、そうやろな、あんなに毎日「中国ガ〜」ってやってるもんな…と、妙に納得すらしてまうんですけども
改めて考えてみると、日米安保ってゆうのは、アメリカ軍が日本に…というか、
沖縄に基地を置く根拠法(条約)になってるので、この条約の維持・強化に賛成するってことは、
「沖縄のアメリカ軍基地の維持・強化に賛成する」というのとおんなじことなんですね
だから、これを「あなたは日米安保の維持・強化に賛成ですか?」とだけ聞くのはまやかし…で
ホントなら、もっとわかりやすく「あなたは沖縄のアメリカ軍基地の維持・強化に賛成ですか?」と
聞かないとあかんのですけど、もし、そういう聞き方をしたら、少しは結果が変わるんでしょうか
あるいはまた、「もし、あなたの住んでいる都道府県に普天間基地の代替施設を建設することが
日米安保の維持・強化につながるとしたら、賛成しますか?」と聞けば
「日米安保の維持・強化に賛成」だと答えた人が、そのままその答えを維持するんでしょうか
つい最近、アメリカで有力な大統領候補になろうとしてる人間の口から「安保ただ乗り」が出てきたトコですが
もちろん、日米安保はタダではありません
沖縄の犠牲があって、日米安保がある…というより、
沖縄の犠牲がなければ、現実的に日米安保は存在しえないのだから
この条約は「沖縄の犠牲」を構造的に組み込んでいるものです
そういう意味では、アメリカと日本の本土は日米安保で「沖縄にただ乗りしてる」んですから
こんな「おいしい条約」を双方が止められるわけがない…
そんなことを考えると、ぼくはまた目の前が真っ暗になるんですけども、
こういう「明らかな不正義(=差別)」をそのままにして「日米安保の維持・強化に賛成」と言い続けるのは
もはや犯罪に等しいとぼくは思います
※この件に関連する事件のことを…
少し前から沖縄で行方不明となっていた女性の遺体が発見され、死体遺棄容疑で「アメリカ軍属の男」が逮捕されました
「アメリカ軍属」ということで言えば、日本人の可能性もありますけど
この男は、「元海兵隊員」ということなので、アメリカ人のはず…で
いつもなら、逮捕した者が外国人の場合にはしっかりとその「国籍」を伝えている日本のメディアが
なぜに、今回に限って国籍をボカして「アメリカ軍属の男」という表現を使ってるんでしょうか
…なんてことを考える以前に、またしてもこういう許し難い犯罪が米軍(関係者)によってもたらされたことに
ぼくは強い怒りを感じています
(それは、ぼくだけではなく、広く、日本の市民の皆さんが共有する心情であると信じています)
ところが…
オバマ氏訪日と参院選前…政府困惑 軍属の男逮捕に(テレ朝:2016/05/19)
沖縄県うるま市の20歳女性行方不明事件で19日午後、女性の遺体が見つかりました。沖縄県警は死体を遺棄した疑いで軍属の男(32)を逮捕しました。アメリカのオバマ大統領が歴史的に広島を訪問をする直前のタイミングというだけに、日本政府は困惑しています。
(政治部・藤川みな代記者報告)
政府・与党内からは「本当に最悪のタイミングだ」という声が相次いでいます。政府としては、オバマ大統領の広島訪問で悲惨な歴史を乗り越えた日米の同盟関係を世界にアピールしようとしていた矢先の事件で、友好ムードに水を差された状況です。日本政府はこれまでも、アメリカ軍関係者による事件が発生する度にアメリカ側に抗議し、綱紀粛正と再発防止を求めてきました。しかし、3月に女性が暴行された事件に続いて、またしてもこのような事件が起きたことで、自民党内からは「日米首脳会談でも取り上げて強く抗議するべきだ」という声が出ています。そして、沖縄県は元々、自民党にとって厳しい戦いが予想されている選挙区ですが、この事件によって来月に予定さている県議会選挙、そして7月の参議院選挙に大きい影響が出るだろうという見方が出ています。
日本政府はこの事件に「困惑」してる…そうです
困惑というのは、「困ったな…」という心理状態のことですが
じゃ、何に困ったな…と考えてるのか…と言えば、それは
「オバマ大統領ヒロシマ訪問で日米友好ムードを演出しようとしてたのに、それに水を差されたから」…なんだそうです
(水を差された…というのは、「完全に被害者意識」なんですが、
自民党は自分たちがこの事件の被害者だと考えてるようです)
さらには、近々予定されてる選挙のことも心配…と、
最初から最後まで「事件のホントの被害者」のことより、自分たちの心配が先に立っているようで
自民党には、許し難い事件の犠牲になった「被害者への思い」が見事にすっ飛んでいます
また、このニュースのなかで解説をする記者は、自分が報道陣であることをすっかり忘れて、
「自民党政権が事件のせいで迷惑を被ってる」と、
ご丁寧な「自民党政権の気持ち代弁解説」をしているのでありますが、
これは「自民党と一心同体」だからこそなせる技…なのでありましょう
これを客観的に見れば、日本政府の反応も記者の解説も両方おかしすぎるんですけど
自分たちの「おかしさ」に気がつかないくらいに、
日本政府は「沖縄県民の心情よりもアメリカとの関係(とそれによる自分たちの安泰)」に神経が集中してるようだし
記者もまた、「自民党政権と仲良くすること」が自分の仕事だと思い込んでるようです