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うさるの厨二病な読書・漫画日記

本や漫画、ドラマなどについて語っています。【ネタバレ前提です。注意してください】

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【漫画】 福本伸行「銀と金」 好きなセリフベスト15 (5位~3位)

漫画

 

福本伸行著「銀と金」の好きなセリフについて語っています。今回は、5位から3位まで。

 

15位から6位を語った、前回の記事はコチラ↓  

saiusaru.hatenablog.com

 

 

6位までは、ちょっと遊んでいたところもありましたが、

ベスト5は、自分の人生や価値観も考えさせられたようなセリフです。

2位と1位の解説が余りに長くなってしまったので、、、、三記事にわけました。

どんだけ、「銀と金」が好きなんだ。 (;・∀・)

かなり長くなってしまいましたが、お付き合いいただければ幸いです。

 

「いよいよ5位から3位」

 

5位 「兄さん……、おいらの唯一の友達。

  たった一人の優しい人……」(7巻 邦男)

 

邦男といえば「差別された」が有名ですが、

主は常にここから泣きっぱなしですので、このセリフを選びました。

神威編は何度読んでも、ここで大号泣します。

すみません、セリフを転載するために読み返していたら、

涙でPC画面が見えません(ノД`)・゜・。

 

個人的には、神威編を読んで泣かない人は、人じゃないと思っています。

人か人じゃないかの踏み絵、

それが「銀と金」の神威編です。

 

人殺しは、駄目ですよ。いくらヤクザ相手とはいえ。

でも、勝広も邦男も神威家に生まれていなければ、

せめて人生のもっと前の段階で森田のような人に出会っていれば、

と思わずにはいられません。

 

 

4位 金を得たのち、その向こう側を覗いてこないと(中略)

   鬼がいるのか……ひょっとして仏にでも遭えるのか。

   いや……案外、そこに座っているのも、

  やはり人かもしれない。(3巻 森田)

 

自分の人生の道を定めて、その道を歩む。

その道を限界まで進んで極めた先には、一体なにがあるのか。

それは、限界まで突き進まないと分からない。

 

何かを限界まで極めたいと望んだことがある人なら、

分かるセリフかもしれませんね。

極めたその先に何があるのか、どんな風景が見えるのか、

それともまた道が見えるだけなのか。

 

「プロフェッショナル 仕事の流儀」で狂言師野村萬斎さんが、

「なぜ、狂言をやるのか?」という問いに、こんな風に答えていました。

 

「その答えは狂言をやらない限り出てこないし、やっても永遠に見つからないかな」

 

何も見えないかもしれないけれど、それでも何かを見るために突き進む。

道の先の深淵をのぞき込もうとしている人間の、決意のセリフだと思います。

 

 

3位 いうてみいっ、森田っ! おどれは正しいのか……!! 

   正しさとはなんや?(中略)正しさとは都合や(中略)

  正しさをふりかざす奴は、それはただ、

  おどれの都合を声高に主張しているだけや。

   わいはケチな悪党やが、口がさけても、人が間違っとるだとか正しさだ

   とか、そんな口だけはきかんつもりや。

  それくらいの羞恥心は持っとる!(3巻 川田)

 

川田三成、魂の叫び。

これほどの血を吐くような叫びは、なかなかお目にかかれません。

やっぱり、お前は間違っているっていう森田の独白に、ただただ泣ける。

 

「やっぱり川田は間違っている」なんていうことは、川田自身も百も承知なんですよね。

川田がそのことを誰よりも分かっている、

ということを森田だって分かっている。

川田も森田がすべて分かったうえで、それでも自分のために怒ってくれている、

それも分かっている。

 

でも、それでもなお

自分は「金がすべて」な「ケチな悪党」として生きていくことを、

自分の意思で決めたんです。

金を稼ぐことが手段で、そのうえでその向こうを見たいと望む森田とは違う。

自分はそうではない生き方を、これからの人生で歩んでいく。

 

分かり合える部分もある、一緒に何事かを成し遂げた、

でも、生き方が決定的に違う。

そんな二人の決別のシーンです。

 

「迷えばいい人間なのか、悩めば素晴らしい人間なのか。

 そんなものクソじゃないか。金が全てだろ」

 

そういう川田が、誰よりも自分自身について迷い悩んだのだと思います。

そういうことのすべてを、森田と川田は心と心で会話をして、

お互いに分かったのだと思います。

自分たちは違う人生を歩むのだと

 

「離れていても心はつながっている」とか、

「これから一生会うことはなくても、それぞれの目標に向かって歩む」とか

少年漫画などにありがちな、そういう別れではないのです。

「自分」というものの存在の仕方が違う、

それがお互いに分かったのだと思います。

 

このシーンは、福本漫画屈指の名シーンだと思います。

自分とはまったく違う生き方をしていて、自分の生き方を否定していても、

自分の気持ちを思いをはせて、無言で気持ちを飲み込んでくれる人がいる。

「お前が冷血漢じゃなくてホッとした」

「兄弟ゲンカみたいなもの」と言ってくれる人がいる。

川田が羨ましいです。

 

次回は、「2位と1位」です。

長々と語っています。 

 

銀と金 文庫全8巻 完結セット (双葉文庫―名作シリーズ)

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