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【社会】

取り調べ可視化、参院委可決 冤罪生む懸念残す

 取り調べの録音・録画(可視化)義務付けや司法取引の導入、通信傍受の対象拡大を柱とした刑事訴訟法などの改正案が十九日、参院法務委員会で与党などの賛成多数で可決された。参院本会議の採決を経て衆院に送付され、今国会で成立する見通し。

 厚生労働省の村木厚子元局長の無罪が確定した文書偽造事件をきっかけに始まった捜査・公判改革の一環。「冤罪(えんざい)防止策が不十分」との批判を残しながら刑事司法制度は大きく転換する。

 法務省は昨年の通常国会に改正法案を提出。与野党の修正協議を経て衆院を通過し、参院で継続審議になっていた。国会法の規定により、衆院で再度可決されれば成立する。

 逮捕した容疑者の取り調べ全過程の可視化を警察と検察に義務付けるが、対象は裁判員裁判事件と特捜部などが手掛ける検察の独自捜査事件に限定。全事件の3%程度で、取調官が十分な供述を得られないと判断した場合など幅広い例外規定があるため、法律専門家から「適正な取り調べを担保できない」との指摘も出ている。

 

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