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 被爆者唯一の全国組織「日本原水爆被害者団体協議会(日本被団協)」が19日、都内の日本記者クラブで会見し、広島を訪問予定の米国のオバマ大統領に要望書を送ったと発表した。

 これまで日本被団協は、謝罪を求めているが、要望書には盛り込まなかった。田中熙巳(てるみ)事務局長(84)は「謝罪をしてほしい気持ちはあるが、強く求めることで核兵器廃絶の障害になるようであればこらえる」と話した。また、「訪問はオバマ大統領個人の体験として、原爆に対する認識が変わるだろう。先頭に立って核廃絶の努力をしてほしい」と期待を込めた。

 同日、都内の日本外国特派員協会で開いた会見では、田中事務局長は「亡くなった人や家族を失った人には謝罪してほしい」との思いを語った。

 要望書の送付は18日付。直接、ホワイトハウスにメールを送ったという。被爆者の話を聞き、被爆資料などに直接触れること▽大統領任期中に、包括的核実験禁止条約(CTBT)批准を実現することなど、核兵器のない世界への努力を求めている。(貞国聖子)