中国メディアの中網資訊はこのほど、日本のステルス実証機X2には突出した性能が2つあると指摘している。さらに戦闘機の「数」で日本を圧倒する中国に対し、技術面で上回ることにより、地域の安全を守るリーダーとしての立場を手に入れることが日本にとってのX2開発の動機であるとも論じている。

 記事はX2が実現した突出した性能の1つ目としてステルス性を指摘、「米国のステルス戦闘機を超えたと日本側は考えている」と伝えている。米国機は特殊コーティングによるがX2機体には電磁波を吸収する複合材料が採用されており、「日本企業だけがこの材料を開発できると日本は主張している」と紹介した。

 また、突出した性能の2つ目は高機動性だ。X2の2つのエンジンには計6枚の推力偏向パドルが装備されており、「急上昇、急降下、急旋回などの動作が可能」と記事は説明。しかし将来の国産戦闘機にはこのエンジンではなく、さらに新しい別のエンジンが採用されるだろうと推測した。

 記事はX2のステルス性および機動性が「突出している」と表現、この2つの性能が中国のステルス戦闘機を超えていることを暗に認めている。さらに、突出した性能を持つ実証機の開発に成功した日本の動機に注目。「尖閣諸島(中国名:釣魚島)および東シナ海における長期にわたる緊張した情勢を念頭に、日本は戦闘機の数の点で中国に及ばないことを深く認識しているため、中国に対して技術面でアドバンテージを取ろうとしている」と主張、X2開発における日本の動機に対して警戒感を示した。

 一部資料によれば、2015年8月の参院平和安全法制特別委員会において、日本政府側は、中国の第4世代戦闘機731機に対して日本は計293機に過ぎないと指摘して危機感を示した。「日本は戦闘機の数の点で中国に及ばないことを深く認識している」と記事が説明したのは、日本政府が抱く実際の危機感に言及したものだ。

 さらに「中国に対して技術面でアドバンテージを取ろうとしている」という表現に対しては、地域の安全を守るリーダーとしての立場を手に入れようとしているとも推測しており、軍事大国また政治大国としてアジアで存在感を示そうとする意図が日本にあるという見方が示されている。X2のテスト飛行の成功は、今後も日中の緊張関係に一定の影響を及ぼしてゆくことになるだろう。(編集担当:村山健二)(イメージ写真提供:123RF)