永田大
2016年5月19日19時28分
性的少数者(LGBT)の仲間と語り合いたい――。そうした声を受けて、「居場所づくり」に取り組む自治体が増えている。差別や偏見のためなかなか周囲に打ち明けられない人たちが、安心して悩みや思いを共有できる貴重な場となっている。
2月の休日、横浜市戸塚区にある男女共同参画センター横浜の一室。10~20代の5人がテーブルを囲み、恋愛話などで盛り上がっていた。横浜市が月2回開くLGBTの交流スペース「フレンドシップよこはま」だ。
「3日後、告白しに行こうと思っている」。男性(22)が興奮気味に話す。告白相手は高校時代の同級生の男性。自身は11歳ごろから同性愛に気づいたが、家族や友人には打ち明けていない。
「彼に拒絶されるのは覚悟の上」との言葉に、フリーターの男性(22)は少し考え込み、「下手にアドバイスはできないな」と口にした。この男性は建築関係の会社に勤めていた。社内で「オネエっぽい」と言われ続け、上司から「どんな育てられ方をしたんだ。親の顔が見てみたい」と言われたこともあった。半年ほどで、会社を辞めた。
「ネットの出会い系でゲイの人と会ったことがあるけど、やっぱり怖さがあった。市がやってくれると安心感がある」
この日の参加者はほとんどが初対面だったが、LGBTならではの「あるある話」を共有するなど、会話が尽きることはなかった。
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朝日新聞社会部
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