内閣府が18日発表した2016年1~3月期の国内総生産(GDP)速報値は、物価変動の影響を除く実質で前期比0.4%増、年率換算では1.7%増だった。15年10~12月期(年率換算で1.7%減)から2四半期ぶりのプラス成長に持ち直した。
今回のGDPは、2月が例年より1日多いうるう年の影響を含んでいる。事前の民間試算によれば、うるう年効果で1~3月期のGDPは前期比0.3ポイント程度(年率1.2ポイント程度)押し上げられる。
QUICKが集計した民間予測の中央値は前期比0.1%増、年率で0.3%増だった。
生活実感に近い名目GDP成長率は前期比0.5%増、年率では2.0%増だった。名目でも2四半期ぶりのプラス成長となった。
実質GDPの内訳は、内需が0.2%分のプラス寄与、外需は0.2%分のプラス寄与だった。
項目別にみると、個人消費は前期比0.5%増と、2四半期ぶりにプラスとなった。前四半期(0.8%減)から持ち直した。うるう年によって消費が押し上げられた。公共投資は0.3%増と、小幅ながら3四半期ぶりのプラス成長となった。
一方、設備投資は1.4%減と、3四半期ぶりのマイナスだった。前四半期(1.2%増)から減少に転じた。世界経済の減速懸念から、企業が投資を先送りする動きがあったとみられる。価格上昇などが響き、住宅投資は0.8%減と、2四半期連続でマイナスだった。民間在庫の寄与度は0.0%のマイナスだった。
輸出は0.6%増、輸入は0.5%減となり、GDP成長率に対する外需寄与度はプラスを確保した。GDPで個人消費ではなく輸出に計上されるインバウンド(訪日客)需要は輸出を下支えした。
総合的な物価の動きを示すGDPデフレーターは前年同期と比べてプラス0.9%だった。輸入品目の動きを除いた国内需要デフレーターは0.5%下落した。
同時に発表した2015年度のGDPは実質で前年度比0.8%増と、2年ぶりのプラス成長となった。生活実感に近い名目では2.2%増だった。〔日経QUICKニュース(NQN)〕