「今から24時間後にお前の頭をこの銃で撃ち抜く!痛みを感じないよう眉間を1発で撃ち抜いてやる。外れることは絶対にないし、お前が生き延びることも絶対にない。」
と言われたとします。すなわち24時間後に死ぬと。
そうしたら、あなたは何をしますか?
もし私だったらどうするでしょうかね?
起床して24時間後に死ぬとしたら何をするか、1日のスケジュールを考えてみました。
ちなみに、銃を持った男は私を監視するために常についてくるものとする。
AM 7:00〜
男から死ぬことが告げられる。
とりあえず会社に今日でもう退職する、とりあえず今日は会社には行かないことを電話し、仲の良い友人たちにLINEで今日の夜飲まないかと誘う。
おそらく返事は来ないので、一旦コンビニに向かい、私の好きな納豆と、ネギトロ巻きを買って朝ごはんとする。男も一緒に朝ごはんを食べる。
AM 8:00〜
ブログに明日から更新が止まることと、信じてもらえないかもしれないけど現状について書く。
書き終えたら2度寝。男も一緒に寝る。
ホモではない。
AM 11:30〜
着替えて行きつけのラーメン屋さんへ。
普段頼まない特盛を頼んでみる。多分食べきれないから、食べられなかった分は男に食べてもらう。
PM 12:30〜
貯金を全て下ろし、屋上が解放されているタイプの大きなビルの屋上から金をばら撒く!
もちろん夜の飲み会が出来るくらいのお金は残しておく。
1億円位ばら撒くのが理想的だが、現実は30万弱…悲しいけどどうせ死ぬからまぁいいか。
PM 14:00〜
家族にペットの金魚の面倒を見るよう任せる。できれば世界最大の金魚、すなわちキラーフィッシュになるまで育てるように任せる。
金魚は水槽の大きさに合わせて巨大化し、体長50cm近くになる個体もいるらしい。
うちの金魚も今体長20cmくらいあり、過去に飼ってきた金魚をはるかに上回るペースで大きくなっているので、できればギネス記録を目指したい…と伝える。
男にも責任を持って週2回は餌をあげに来るよう命じる。
PM 16:00〜
とりあえずエロ動画を見る!スマホの通信速度とか気にせず見る!
男も一緒に見る!
PM 19:00〜
飲み会開始。とりあえず金曜日という設定なので、翌朝までオールする。
今までの思い出を語りつつ、アホみたいに騒ぐ。
飲み会にもついてきた男も一緒に酒を飲む。最初は断る男だったが、だんだんと気を許し始め、お酒を飲みだす。
男の素性が割れ始める。
男は42歳。栃木県出身。
妻と10歳の男の子が1人、7歳の女の子が1人の4人暮らし。
妻と子供達には今の仕事のことは伝えていない。人材派遣会社で働いていると伝えている。
この仕事の給料は死んでも言えないが、家族4人食べていくには十分な金額らしい。
月に5人ほど命を奪う。働く日数は異常に少ないが、一件一件が重すぎる。
仕事のない平日はパチンコかマン喫で時間を潰し、家に帰る。家族は仕事をこなして、月のほとんどを家族と一緒にご飯を食べる時間に帰ってくる、理想的な夫を演じている。
しかしその裏で人の命を奪っていることが1番の悩みであることを私は知る。
こんなに真面目な男がなぜこんな仕事をしているのか。そこにはもっと深い理由があるのだろうと思う私であったが、理由は聞かない。とにかく慰めるしかなかった。
「おっさん、私を殺したらさ、この仕事から足洗えよ。家族には正直に言わなくて良いからさ。どうせ嘘ついてるなら、次の仕事決まるまでアルバイトでもすれば良いじゃないか。子供たちにもバレやしないよ。」
私の慰めを聞いているのかいないのか、わからないような中途半端な返事と頷きで、男は酒をグラスに運んだ。
AM 3:00〜
私、飲み過ぎで吐く。
AM 6:45〜
友人たちが見守る中で、私は死を覚悟する。
ジロギン「おっさん…私はもうやりたいことやったよ。だから撃て!眉間を!1発でよぉ〜!」
男「良いのか?まだ15分あるぞ?」
ジロギン「私は15分前行動を意識してるんだ。もう良いさ。やってくれ。」
男「わかった…」
ジロギン「痛いのはナシだぞ!外すなよ!」
男「……撃てるわけないだろうっ!昨日一日中一緒にいて!飲み会では俺の悩みも聞いてくれて!今まで殺してきた人間は、いざ死ぬとなると自分のことばかり考えてた!けどアンタは死ぬ間際になっても俺を気遣ってた!そんなやつを理由もなく撃てるわけないだろ!」
ジロギン「ば…ばかやろう!!!アンタが今日殺すっていうから、私は仕事も辞めて!貯金も全部放り投げて!もう何も残ってないんだよ!だから殺せよ!どうやって生きていけば良いんだってんだよぉ〜!」
男「………ダメだぁ。酔っ払っちまってよぉ〜、狙いが、狙いが定まらねぇんだよぉ…」
ジロギン「ちくしょうが…文無しで生きていけってのかよ…アンタは悪魔だよ!命を奪うタイプのやつより残虐な悪魔だよ!
クソ!誰か私を居候させてくれない?」
こうして死ぬに死にきれなかった私は、死ぬよりももっと厳しい人生を送ることになったとさ。
うーん、明日死ぬなんてイマイチ想像できないな。
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