〈大型連休中、二度も一人カラオケに行き、韓国民謡「恨五百年(ハン・オーベンニョン)を歌いまくった。先月、68歳で急逝した元朝日新聞論説主幹・若宮啓文さんの十八番で、先輩の早過ぎる死を静かに悼んだ。
若宮さんは日本でも韓国でも著名だったが、多分に誤解もされていた。理由の一つは、日韓が領有権を主張する竹島(韓国名・独島)をめぐる11年前のコラムだろう。「いっそ韓国に譲ってしまったら、と夢想する」と書いて大騒ぎになった。
真意は当然、単純な譲渡論ではない。日韓が不毛な対立を永久に続け、本当に大事なものを失ってよいのか、という問いかけだったが、思いは十分には伝わらなかった(後略)〉
思わず首をひねってしまったコラムだが、私見ながら言わせてもらおう。思いが伝わらない文章を書いたのだとすれば、若宮氏はジャーナリストとして二流だったということではないのか。多分に誤解される記事ばかりを綴るジャーナリストが一流のわけがない。
それよりも、追悼と言って連休中に二度も一人カラオケに行き、韓国民謡を歌いまくったというこの箱田哲也という記者が、私にはちょっと空恐ろしく感じられた。韓国の民謡を十八番にしていた若宮氏にも思うところはあるが、急逝した先輩を偲ぶ歌が韓国民謡というのがいかにも朝日らしいと言えば朝日らしいのだが。本当に好きなんだね、お隣りの国が。
日本の新聞ジャーナリズムは世界のそれとはちょっと違っていて、国益を損なうような事案も躊躇なく記事にしてしまうという欠点がある。対立国を喜ばせることや、日本が不利になることを平気で書くのだ。旧日本軍は慰安婦を強制連行したとか、南京では30万人もの中国人を虐殺をしたとか、竹島は韓国に譲れとか。
アメリカも実はかなりの数の領土問題を抱えているが、カリブ海のこの島はコロンビアのものだ、ここはキューバの領土だなんて言う新聞記者はいない。そんな屈折したジャーナリズムがアメリカにはないように、フォークランド諸島をアルゼンチン領だと言い張るイギリス人ジャーナリストもいない。フィリピン人やベトナム人のジャーナリストが、南沙諸島は中国領だなんて言いますか?
朝日の記者だけだろう。国益を損ねて悦に入ってるのは。
韓国人に日本の良心だとか立派だと言われるからクオリティペーパーだなんて、勘違いだけはよしてほしいと切に願う今日この頃であります。
参考記事:朝日新聞
週刊新潮1月28日号4月28日号他