5月14日放送のTBSラジオ「ライムスター宇多丸のウィークエンドシャッフル」で恒例の人気企画「推薦図書特集」が行われた。番組MCのヒップホップグループ・RHYMESTERの宇多丸さんとゲストの劇作家の前川知大さんがオススメ本を紹介した。
宇多丸さんは『まんが学特講 目からウロコの戦後まんが史』みなもと太郎[著]大塚英志[著](角川学芸出版)を紹介。同書は漫画の歴史の生き証人であるみなもと太郎氏が、漫画史の裏側について語り尽くした一冊。みなもと氏は同書で、漫画評論をする際、自分がどの世代の立ち位置から話をするのか明確にしておかなければ余計な誤解を生む、と述べている。宇多丸さんは、世代によって作品の同じ部分を同じ理由で評価する・しないと分かれる、それゆえ自分が映画評論をする際も立ち位置の説明で前置きが長くなると解説し、みなもとさんの説に賛同をあらわした。そして同書を「無類に面白いうえに“トキワ荘・24年組史観”とは別の視点から漫画史が語られてゆく。読んでいて楽しいうえに膝を打つ一冊」と薦めた。
前川さんのお薦めは『仏教思想のゼロポイント: 「悟り」とは何か』魚川祐司[著](新潮社)と『ユーザーイリュージョン―意識という幻想』トール・ノーレットランダーシュ[著](紀伊國屋書店)の二冊。
『仏教思想のゼロポイント』について前川さんは、最近読んだ仏教の本のなかではずば抜けて面白かった、と紹介。同書では「悟り」についてわかりやすく書かれており、具体的に悟りに至る方法や、悟った後どのような変化が訪れるのかについてもはっきりと描かれている、と絶賛した。著者の魚川さんは宗派に囚われず研究者の視点で書いており、文章も平易、全く知識がない状態で読んでも大丈夫、とお薦めした。
『ユーザーイリュージョン』は意識と脳の関係について切り込んだ一冊。前川さんは「知的好奇心が刺激されるネタ本です」と紹介。同書では人間が身体を動かす際、自分が動かそうと思う0.5秒前に脳は動きだして指令をだしており、意識はそれを観測しているだけという衝撃の事実が突きつけられる。そしてその0.5秒を感じさせないように脳が編集していると述べる。では脳にそれをさせている主体は何なのか? 俺ってなんなんだ? 自由意思とはなんなのか? と考えさせられ、「脳みそをかき回される旅をするような本」だと解説した。宇多丸さんも同書を歌詞(「ミスターミステイク」)のネタ本として使ったことがあると告白した。
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