橋桁の仮受け台落下 大阪・箕面
19日午前9時55分ごろ、大阪府箕面市下止々呂美の新名神高速道路の工事現場で、橋桁を支えている仮受け台が崩れ、現場の下を通る箕面有料道路をふさいだ。府警箕面署などによると、巻き込まれた車両はなく、けが人はいないという。
新名神高速道路の建設工事を巡っては、神戸市北区の現場で4月22日、橋桁が落下して作業員10人が死傷する事故があったばかり。工事を発注する西日本高速道路は「2度も橋りょう事故を発生させ、周辺道路に影響を及ぼしてしまった。大変申し訳ない」と釈明しているが、管理のあり方が問われる事態となっている。
今回の現場で工事を担当していたのは、橋りょう施工会社「IHIインフラシステム」(堺市堺区)。箕面有料道路の10メートルほど上に橋を架ける作業をしていたが、橋桁を支える仮受け台が崩れた。
I社によると、18日夜まで、仮受け台に橋桁を乗せ、連結する作業をしていた。19日午前8時ごろから、仮受け台を解体する作業を始めていた。仮受け台は「ベント」と呼ばれ、1基2メートル前後のものを積み上げる形で橋桁を支えていた。西日本高速道路によると、橋桁そのものは崩れていないとしている。
箕面有料道路は大阪府道路公社が管理しており、午前10時ごろから上下線を通行止めにした。当時、現場近くにいた交通誘導員の男性(65)は「背後でバーンというごう音がしたので驚いた。誰もけががなかったのが幸い」と話していた。
新名神高速道路は名古屋−神戸間の約174キロを結ぶ計画で、大津−神戸間などの建設を進めている。
固定が不十分では
近畿大の米田昌弘教授(橋りょう工学)は、仮受け台が根元の部分から倒れている点に注目する。「仮受け台は、上から橋桁の圧力がかかるため、しっかりとした構造になっているはずだ。基礎部分と道路との固定が不十分だったのではないか」とみる。倒れた要因については「仮受け台を撤去または解体する際に、クレーンなどで横や斜めから圧力がかかり、耐えきれなくなったのではないか」と指摘した。【高瀬浩平】